兼業・副業を「認めている」「認める予定」は7割!

 経団連は11日、副業・兼業に関するアンケート調査を公表しました。兼業・副業を「認めている」「認める予定」と回答した企業は、企業規模計で70.6%、常用労働者5,000人以上規模で83.9%と企業規模が大きいほど「認めている」「認める予定」の回答が増加することがわかりました。コロナ禍を境に日本人の働き方は大きく変化し、働き方改革や法整備により柔軟なワークスタイルが進む中、それが影響して副業・兼業をする社会人も年々増加傾向にあります。株式会社ライボでは、今年8月に働く人を対象とした兼業・副業の調査結果を報告しています。調査対象全体の21.6%が「現在兼業・副業をしている」と回答、89.1%が「今後始めたい」と回答する結果となっています。始めた理由は「収入を上げるため」が83.2%で最多回答で、44.1%が「本業だけは生活苦」と回答しており、経済的理由というのが多いようです。経団連の調査では、社外での兼業・副業を認めている企業の4割が、「多様な働き方へのニーズの尊重」「自律的なキャリア形成」といった点で、兼業・副業を認めたことによる効果を感じています。「兼業・副業を認めている」「認める予定」とした企業では、積極的に「自律的なキャリア形成支援」に取り組んでいる実態も明らかにされました。

 

 

 社外からの受入を認めるか否かの調査では、常用労働者300人未満の企業で「認めている」「認める予定」の合計が37.7%と社外への送出を認める質問と逆に事業規模が小さいほど認める割合が高くなっています。社外から副業・兼業の受入を認めたことによる効果として、「人材の確保」(53.3%)「社内での新規事業創出やイノベーション促進」(42.2%)「社外からの客観的な視点の確保」(35.6%)などが挙げられています。人材の確保に悩む中小企業では、兼業・副業の受入れによる一定の効果が期待できることが分かりましたので、自社の制度においても、送出を含めた兼業・副業を認める方向での制度構築が必要な時代といえます。従来の日本型雇用の同じ組織の中で、メンバーが変わらない同質的なクローズな関係から、一つに組織を超えてメンバーの出入りのあるオープンな関係な関係に変わりつつあります。選び、選ばれる企業となるために、人的資本経営を取り組むために何をなすべきか、人事の仕組みの重要性を実感するこの頃です。