
新型コロナ感染症拡大や働き方改革の推進などにより、日本人の働く意識が、想定以上に速いスパンで変わってきたように思えます。今月12日、日本能率協会から「2022年度新入社員意識調査」の調査結果が公表されました。それによりますと、新入社員の理想の上司・先輩は「仕事について丁寧に指導する人(71.7%)」が1位で2012年以降の調査で過去最高になりました。2012年度調査で数値が高かった「場合によっては叱ってくれる上司・先輩」や「仕事の結果に対する情熱を持っている上司・先輩」は、大幅にダウンする結果になっています。また、仕事をしていく上での抵抗感に関する質問では、「上司や先輩からの指示があいまいでもとりあえず作業を進める」ことに抵抗ある・どちらと言えば抵抗があるとする回答が8割を超えています。これらから、プロセス化した業務の目的・到達点などを明らかにして、わからない部分や作業のポイントなどを丁寧に指導する仕組みを作ることを望んでいるようです。ジョブ型の働き方であれば必要なしくみです。自身のキャリイメージ描いているかの質問では、「描いている+どちらかと言えば」の合計が55.2%、その内5年先が3割、10年先が3割と、キャリアに関しての目標設定がしっかりなされているようです。

仕事のついての不安を尋ねたところ。「上司・同僚とうまくやっていけるか(64.6%)」、「仕事の対する現在の自分の能力・スキル(53.4%)」が上位を占め、これらは2019年調査から大幅に高まっています。意欲や能力を高めるための上司や人事への期待を尋ねたところ、「成長や力量に対する定期的なフィードバック(61.8%」となり、続いて「ワークライフバランスをとれる柔軟な働き方ができる環境づくり(51.0%)」、着目点は次の回答で「キャリアや価値観、強み/弱みについて定期的な話し合い(46.8%)」・・・ドラッカー思想?なのかと考えてしまいます。キャリア目標の設定といい、フィードバック分析の実践といい、これからは彼らの要望に応えられるような人事システムの構築が必要です。先日、岸田首相はアメリカで日本の優先課題として5点を挙げましたが、このうち第一とされたのが「人への投資」です。今後、国内は「人的資源」から「人的資本」への転換が図られますが、企業もあまり時間はありませんが「求職者から選ばれる会社」への転換を図らなければならない時代です。