ミドルエイジ層の転職

 ミドルエイジ(30~50歳代)の管理職・専門職で転職を考えている方にとって、新型コロナ感染の収束が見えないところですが、落ち込んだホワイトカラーの新規求人者数もコロナ禍以前に回復し、年末にかけて転職が活発になると予測しています。地方の中堅オーナー企業の世代交代が高まりとともに、幹部社員採用のニーズが高まっています。地方の中堅オーナー企業の2代目、3代目はもともと大都市での仕事の経験者が多く、自分の右腕として働いてくれる優秀な人材を採用するには、それなりの給与や待遇を用意する必要があることを理解しています。調査によれば現在の給与の20%以上を目安に給与額を額提示することが多かったようですが、最近は大都市との差もなく年収700万~800万以上での採用が多くなってきているそうです。2019年に内閣府の発表した「経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太の方針2019)」なかで、「70歳までの就業機会確保」「中途採用・経験者採用の促進」が挙げられており、「転職」「中途採用」への関心は高まる傾向にあります。先日、労働政策研究・研修機構(JILPT)において、表題の労働政策フォーラムが開催され参加しました。

 

 厚生労働省の「雇用動向調査」によると、転職入職する労働者は2000年以降増加して、2019年の転入職者は約306万人で、2000年と比べる約40万人増加しています。2020年はコロナ禍のため約37万人減少して、約269万人になりましたが、今年は戻りつつあるようです。JILPY のアンケート調査では、 ミドルエイジ層は「仕事上の友人・知人」との接触に結び付くと思われるリファラル採用(自社従業員紹介)などの手法を用いた中途採用が有効という結果が得られました。正社員から正社員で転職した人の4分の3以上の人が自身のスキルや知識が「非常に活かせている」「活かせている」と考えています。男性は年齢層があがるほど、「非常に活かせている」との回答の割合が上昇していく傾向が顕著のようです。賃金ついては、男性は年齢層(50~54歳)が上になるほど5%以上低下した割合が高く、反対に5%以上上昇した割合は上の年齢になるほど低い傾向にあります。その他3社のキャリア採用の取り組みについての講演・パネルディスカッションがありました。人事戦略としての給与面以外の取り組みは非常に参考になるものでした。