所得向上と人的資源の強化

 政府は3日、「第2回経済財政諮問会議」を開催し、所得向上と人的資源の強化等について議論しました。会議では、過去25年間で働き盛りの世帯所得が100万円以上減少していること、非正規雇用の若年者単身世帯の割合が大きく上昇していることなどのデーターが示されました。現状を踏まえ、一人ひとりの付加価値生産性を高めるような「人への投資」の拡大、ワークライフバランスを重視した多様な働き方の推進、成長の果実を享受できる制度の3つの柱を中心に、それぞれの世帯の置かれた状況にあわせたきめ細やかな行動の必要性を提言しています。企業が進めるべき人事・労務上の課題と同様と考えられる内容ですが、政府として行うことなので子育て世代における106万・130万の壁の見直しにより、更なる配偶者の労働参画を促し人材育成・子育て支援、働き方改革を一体として進める内容を考えているようです。

 

 また、年齢階層別に所得や就業構造特徴を念頭に置きつつ、デジタルを徹底活用し、きめ細やかな支援が可能となる仕組みの構築をすべきとしています。政府の行う施策は、企業にとって大なり小なり人事・労働の仕組みに影響を与えることになります。45歳~54歳(壮年期)の世帯では25年前の世帯所得の大幅減が要因となって、世帯年収の中央値が約200万円減少し1000万円以上世帯も減少している実態がわかりました。一方、40~50代の兼業・副業からの収入は増加傾向にあり、40代では転職後に賃金が増加する割合が高いことから、壮年期の適材適所の労働移動を促し、所得の向上を実現できる施策を推進すべしと提案しています。企業としては、基幹業務の中核を担う40歳~50歳代の突然の退職とならないように制度自体も整備する必要があります。働き方の自由度を高めながら企業収益をいかに確保するかは、人的資源の強化の仕組みを企業制度の取り込んでいく以外にないと思います。