多様な働き方と就業規則

  働き方改革では、「いわゆる正社員」と「非正規雇用の労働者」の働き方の二極化を緩和し、労働者一人ひとりのワーク・ライフ・バランスと、企業による優秀な人材の確保や定着の実現のため、職務、勤務地又は労働時間を限定した多様な正社員の普及が図られてきました。これら多様な正社員を含む人事制度を構築する際に、労務管理が煩雑、複雑になる、区分間での仕事や処遇・労働条件のバ ランスが難しい、人事管理が硬直化するなどの課題があります。厚労省の調査では、多様な正社員制度がある事業所の割合は2018年で23.0%、2020年で28.6%であり、制度がある事業所のうち多様な 正社員制度利用者有りの事業所の割合は4割前後でした。現在、多くは規模の大きな企業が多いようですが、今後は中小企業でも避けて通れない課題です。

 

 限定正社員の雇用又は配置の変更について、個別の労働契約書で対応すれば良いのではとの意見がありますが、法律の優先順位としては個別契約より就業規則が優先されます。個別契約で一般の正社員より賃金等を含め低い労働条件を定めた場合、就業規則の内容に満たない労働条件は就業規則の内容になります。人事制度で多様な働き方を準備するとしたら、非正社員から無期転換を介して正社員となる場のの就業規則の作成同様に、いわゆる正社員から職務・時間・地域を限定する多様な働き方に関する就業規則の作成は必要です。人事制度構築にあっては、無期転換制度、正社員転換制度の道筋や正社員と限定正社員制度への転換ルールなど、将来の人事制度の全体像をつくるのが第一歩です。その後、就業規則により細部のルールを作成していきます。これらには、職務分析や業務改善・組織開発

も考慮されますので、企業にとっては収益確保のきっかけになります。