ことし1年を振り返って・・・

 4月から、パートタイム・有期雇用労働法(同一労働同一賃金)と改正高年齢者雇用安定法の2つの働き方改革関連法が適用範囲拡大、もしくは施行されました。働き方関連法に関してはすべての企業でほぼ適用され、労務に関する制度や職場環境の整備などが進んだ年ではなかったでしょうか。現場主義を理念とする弊事務所にとって、顧問先・関与先の従業員の皆さんと様々な関係性を持つ、有意義な仕事ができた年でした。フレックス制度の導入に関する説明会を通じて、働く人の思いや要望を聞いたり、「働きがい」について考える機会をもらいました。

 

 給与規程などの人事制度が動き出した顧問先では、目標管理制度の各面接で社長と同席して進捗状況や今後の進め方について意見を聞かせてもらいました。管理職が面接を行う顧問先では、各面接時のコーチングスキルのレクチャーを行ったり、面接にあっての不安を聞いたり、目標管理の目的について再確認をするなど管理職の思いを聞くことができました。目標管理制度の導入時には、職員向けのワークショップを開催しましたが、結論から考える思考方法をどのように伝えるかを迷い、学び、文章化・ツール作成など大いなる勉強機会をもらいました。コンサルタントとして「伝える」難しさを知る1年でした。

 

 

 また、職業能力に関するワークショップ(研修過程)を等級別人事制度に連動させて福祉分野で実施したことも今年の大きな経験でした。日本生産性本部の調査では、職業知識やスキルなどの自己啓発に取り組む労働者は、15%程度だそうですが、継続的な学習機会があれば50%まで増えるそうです。中堅職員・管理職の2クラスに毎月の座学によるワークショップ、課題を設けての不定期なグループワークを実施して8か月、自分の時間を使っての自己啓発を提案したら約半数の方が手を挙げてくれました。

 

 来年度は既に数社の人事制度構築・給与規程の見直し・人事考課制度の構築ご依頼があり、それぞれの企業の多様な働き方に対応する制度構築に悩むことが多い思います。企業のご依頼があって私自身、実践的なスキルの構築ができるのであって、労務管理の課題解決しかり、人事制度の構築による働く人の「働きがい」の実現、イノベーションの創出、その先の企業の収益の向上は私に与えられた仕事です。ことし1年を振り返って、悩みながらも課題解決にチャレンジする機会を与えていただいた企業様に感謝しつつ、働くひとの「働きがい」創出、企業利益の確保に向け、来年はより一層の努力をしようと思っています。コンサルタントの仕事は、難しくもありますが、楽しいです。