転職に関する調査について

 厚生労働省では、このほど令和2年転職者実態調査の結果を取りまとめ公表しました。転職者の採用状況、就業意識の実態を把握すること目的として行われるものですが、人材の定着や人材の確保を図ろうとする企業においては一読したい内容になっています。これによると、令和元年10月1日~令和2年9月30日に転職者した者について、転職後の勤め先を「満足」・「やや満足」とした割合は53.4%、一方「不満」・「やや不満」とした割合が11.4%でその差で表す「満足度指数」は42.0ポイントとなっています。なお、「満足度指数」を男女別に見ると、男性の46.5ポイントに対し、女性は35.9ポイントとなっています。転職者が直前の勤め先を離職した主な理由は「自己都合」が最も高く76.6%となっています。

 

 離職理由(3つまでの複数回答)は、「労働条件(賃金以外)が良くなかったから」が28.2%で最も高く、ついで「満足のいく仕事内容でなかったから」が26.0%、「賃金が低かったから」が23.8%となっています。転職者が現在の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答)は、「仕事の内容・職種に満足がいくから」41.0%で最も高く、次いで「自分の技能・能力が活かせるから」が36.0%、「労働条件(賃金以外)が良いから」が26.0%となりました。コロナ禍により転職の理由も変化していますが、テレワークを含め多様な働き方・柔軟な働き方を会社が積極的には採ろうとしているのかも、現在は重要な理由となっているようです。

 

 

 転職者のいる事業者で転職者の採用にあたり重視した理由(複数回答)として、「人員構成の歪みの是正」とする事業所の割合が43.8%と最も高く、次いで「既存事業の強化・拡大」が42.0%となっています。転職者を採用する理由(複数回答)は、「管理的な仕事」及び「専門的・技術的な仕事」での採用では、「経験を活かして即戦力になるから」及び「専門知識・能力があるから」の割合が高かったようです。その他の職種では「離職者の補充のため」などの割合が高いようです。政府の目指す労働力の流動化も加速する傾向があり、今後3年間に「転職者を採用する予定がある」事業所の割合は53.3%となっています。

 

 これから、働き方改革やコロナ感染症の影響により「ジョブ型雇用」を検討する企業が増えてきます。特に大手企業では過度な新卒者採用偏重を見直し中途採用を増やしたいという思惑もあります。今回の調査でも採用予定における「転職者を優先して採用したい」の割合が35.7%と「新規学卒者を優先して採用したい」の12.3%を大きく上回っています。ただし、少子化により若年人口は減少の一途を辿っており、新卒の人材争奪は熾烈を極めてきていることも大きな原因でもあります。デジタル化の推進等により経験者を社外から獲得した方が効率的なこともありますが市場価値に見合った待遇を提示できないと人材を獲得することができず、仮に獲得できてもすぐに辞められてしまいます。魅力的な待遇提示が急務なことも、ジョブ型雇用への転換が急がれる理由になっています。