副業・複業の広がりについて

 総合人事・人材サービスを展開するアデコ株式会社は、上場企業に勤務する30代から50代の管理職を対象に「副業・複業に関するアンケート調査」を実施しました。この調査は2018年にも実施しており経年による意識の変化についても分析しており、今後の働き手不足に対応せざるを得ない中小企業にとっても興味深い調査になっています。勤務先で副業・複業が認められているかについて聞いたところ、「認めており推進している」(8.0%)「認めている」(29.2%)を合わせて37.2%と約4割の企業が認めていることがわかりました。これは2018年の22.8%より高い数値で3年間で許容度が高まったことがわかりました。

 

 一方で「禁止している」という回答が51.8%あり、依然として半数以上で禁止されていることがわかりました。副業・複業が認められた時期につての質問では2020年1月以降が53.2%とコロナ禍により働き方の多様性の高まりとともに許容度が高まったことが推測されます。勤務先で認めらている理由については、「本人のスキルアップにつながるから」(50.0%)がトップで、2018年の調査の32.8%の2位からアップしています。次が「イノベーションや新規事業の創出につながるから」(64.2%)「従業員の収入増につながるから」(30.5%)と続きます。2018年と比較すると2021年はより長期的な視点によるメリットが上位に上がってきており、副業・複業に対する期待感にいも変化が表れてるという分析がなされています。

 

 

 「先で他社や個人事業主としての仕事が本業の労働者を受け入れているか」という質問に対して、「すでに受け入れている」と回答した人は24.2%で、2018年の22.6%から受入れ度に大きな変化がないことがわかりました。今後、中小企業ではイノベーションや新規事業の創出など高度なスキルを持つ従業員を育成また採用することが課題となってきます。上場企業の「副業・複業」の状況をみる限り、企業の許可性・推進を促進すると同時に、労働者の受け入れための採用の柔軟性も必要になると考えます。就業規則にも「副業・兼業」の条文を規定し、制度として運用することが大事です。

 

 調査でも「副業・複業」が認められる理由として、「本人のスキルアップにつながる」「イノベーションや新事業の創出につながるから」など労働者本人の能力向上に期待する面が大きいようです。2018年に理由のトプであった「特に禁止する理由がないから」は、自らの副業・複業による収入増を原資として自己啓発を行うことに反対する理由はないのでしょう。また「定着率の向上につながるから」「人出不足の解消や多様な人材の活躍につながるから」など、人材の確保を理由とする意見も20%を超えるなど人出不足への対応になることも理由となっています。中小企業こそ「副業・兼業」を認めるべきと思う理由ですが、許可に関しては健康管理・守秘義務など禁止・取り消しに関する事項を定めれば問題はありません。