ドラッカーと人事制度

 気がつけば今年もあと3月で年の瀬です。日に日に秋の景色に染まり、ちょっとした近場のお弁当持参のハイキングが楽しみな季節です。コロナ禍で前のような生活には戻らないことは実感しますが、自分の仕事を含めてイノベーションが必要な時代であることには間違いがないようです。持続可能な社会の実現に向けて、2030年までのSDGs活動と取り組みはあらゆる企業や組織にとって重要です。うちの事務所は「8 働きがいも経済成長も」をテーマとして、働く人にとっての働きがいと企業の生産性向上を人事制度へどのように「仕組み化」できるかが毎日の仕事となっています。

 

 生産人口減少へ向かい第1ステップとして、衛生管理である労務・安全衛生体制の適正化・適格化への取り組み、第2ステップとして現在の人材減を想定した業務改善とデジタル化の生産性向上への取り組み、第3ステップとして新たな価値創造ためのイノベーション人材の育成と経営体制への取り組みが必要です。企業・組織ごとの課題もありイメージ通りにいかないのが当たり前で、全体像から各パーツの部分適格の取り組みを地道に続けていくことになります。人事制度の構築にあっては、職務分析から記述までのプロセスを社員研修で伝えて、要件定義をまとめて等級制度へ転換することとしてきました。職務要件書は、現場で使うもので人事制度の連携で回るものと考えていました。

 

 しかし、職務分析の本は存在していないのと私のやり方は私独自のもので、現場で作れないこと、社員研修ではうまく伝わらないことを実感しました。目指してきた考え方は、ドラッカーの理論である知識労働への転換でした。第2ステップでの業務改善とデジタル化の流れは、労働をマニュアル化して熟練することで時間の短縮・時間単位の生産性向上が目的です。第三ステップでは、生産性向上によって生み出された時間を、知識労働であるイノベーション人材の育成に使うというものです。

 

 時間はかかりますが、職務分析と要件書の作成は必須のようです。私がかかわらざるを得ない仕事になりそうです。ドラッカーの「イノベーションと起業家精神」を読み直してみました。「イノベーションのための7つの機会」では、現在の日本の経済・社会状況から最大の変化は生産年齢人口減少による「人口構造の変化」であり、新型コロナ感染症の拡大に伴う「認識の変化」もイノベーションを起こす機会と捉えることができます。いわばチャンスともいえる時代ですが、それらを起こすためにもマネジメントの知識が重要であり、企業でも教えていく必要があります。・・・ということで、あまり得意といえない研修の講師もやるようになって資料作りなどで、ますます秋が楽しめないことになっています。