2021年度の業績・収益の増減予想

 国内景気は、新型コロナウイルスの影響により経済活動が左右される状況が続いています。新しい生活様式に対応した需要創出など徐々に明るい兆しが見え始めているものの、一部地域では「まん延防止等重点措置」が適用されるなど、収束の時季は未だ鮮明には見えていません。この度、帝国データーバンクでは、2021年度の業績見通しに関する企業の意識について調査(2021年3/18~3/31 )を行い、全国11,261社の有効回答を得て結果を公表しました。2021年度の業績見通しを「増収増益」とする企業は前回調査(2020年3月)から13.9ポイント増加し、27.4%となり、一方、「減収減益」を見込む企業は18.4ポイント減少の26.0%と増減が拮抗とする結果になりました。

 

 業種別でみると「増収増益」では、自動車・同部品関連の「郵送用機械・器具製造」が40.4%がトップなり、次いで「飲食業」が39.0%と続き、「旅館・ホテル」など2020年度に大きく打撃を受けたサービス業が上位に並びました。一方、「減収・減益」では2020年度に活況な内職需要によって好調だった総合スーパーを含む「各種商品小売」が38.1%で最も高く、次いでアパレル関連「繊維・繊維製品・装飾」における製造と卸売(37.7%)、公共工事に支えられ好調だった「建設」(35.8%)などが上位となりました。ワクチン接種の本格的な開始による経済活動の正常化に向けた動きを受け、穏やかに上向いていくと見込まれていますが、新型コロナの動向次第といえる状況のなかで、2021年度業績見通しは、業種により増収増益と減収減益が拮抗する結果になりました。

 

 

 2021年度の業績見通しを上振れさせる材料を尋ねたところ、新型コロナなどの「感染症の収束」45.6%でトップとなり、次いで「個人消費の回復」が。前回調査より8.1ポイント増加して42.9%となりました。ほかに「公共事業の増加」「経済政策の拡大」などが上位の結果となっています。2021年の業績見通しを下振れさせる材料では、「感染症の拡大」(54.7%)次いで「個人消費の一段の低迷」(35.4%)は、前回調査より減少したものの引き続き高い結果になっています。ほかに「所得の減少」(25.5%)、「行動制限や外出自粛の実施・拡大」(23.9%)となりました。上振れ・下振れの材料として、新型コロナの影響を挙げる割合が高く、それに伴う個人消費の行方を注視する必要がありそうです。

 

 2020年3月から始まった政府系金融機関による実質無利子・無担保融資を皮切りに、5月には民間金融機関も対応を進めました。2021年3月には金融庁が新型コロナ関連融資の返済猶予対応を金融機関に要請するなど、資金繰り支援は現在でも継続しています。2021年3月時点の資金繰りについて、「非常に楽」「楽」「やや楽」の合計が43.2%、「どちらでもない」(40.6%)、「非常に苦しい」「苦しい」「やや苦しい」合計が13.6%となっています。規模別では大企業ほど資金繰りが「楽である」割合が高く、中小企業、小規模企業ほど「苦しい」とする割合が増えています。業種別では、「旅館・ホテル」、「娯楽サービス」「飲食店」が上位をしめ、またこれらの業種は景気が回復した際に減少分を取り戻す「繰り延べ需要」が起きにくいとされています。融資でつないでいる実態から不安も多く、早期の新型コロナ感染症の収束を望む声は大きいようです。