女性の労働環境を考える

 2016年4月に施行された女性活躍推進法は、働きたい女性が活躍できる労働環境を企業に義務付けることで、自女性が働きやすい社会を実現することを目的として10年間の時限立法として施行されました。来年4月には、現在努力義務とされる雇用する労働者が101人以上の企業も実施の義務を課せられますが、女性の就業率が7割を超える日本の現状からも事業規模に限らず労働環境の整備は必須です。日本は少子高齢の影響が現在・将来の労働力不足を女性に頼らざるを得ない実情があり、ワークライフバランスを保つためにも多様な働き方を許容する社会・企業の取り組みが必要です。

 

 この度、公益財団法人日本財団は女性の意識調査「第3回少子化に対する意識・国際比較」調査の結果を公表しました。日本および海外7か国の18歳~69歳女性を対象にインターネットによる調査を行いました。自国の少子化の現状について尋ねた結果、「問題あり」としたのが日本、韓国、イタリアで7~8割を占める結果になりました。「問題なし」は、アメリカで5割を超え、フランス、デンマーク、スウェーデンで45%前後が問題はないと答えています。少子化の何が問題になるのかの問いには、各国とも「高齢世代を支える若者世代の負担が過大になること」が最多の答えになっていますが、日本では8割を超え、中国、韓国でも7割を超えるなど特にアジア圏では大きな理由になっているようです。次ぐ理由として日本では「公的医療や社会保障制度の財源がきびしきなるから」「社会や経済の縮小に繋がるから」など、少子化の問題意識は高いようです。

 

 

 少子化現象の原因として、日本では「仕事と子育てを両立できる環境の未整備」約7割と他の国に比べても多い意見でした。次いで「出産・育児の経済的負担が大きすぎる」(68.2%)ですが、米国・中国・韓国・イタリアでは1番の理由になっています。3番目は「子育ての負担が女性に偏っている」(57.8%)との回答で、韓国を除く他の国と比べても高い回答となっており、ワークライフバランスが提唱されてかなり久しいですが、まだまだ定着するまで時間がかかりそうです。少子化対策として求めるものとして「働きやすい環境(フレックスタイム制・テレワークなど)の整備」、「従業員の出産・育児に対する企業の取り組み強化」などが上位3位にありますが、これらは企業単位で取り組むことが出来る内容かと思います。

 

 働く女性をめぐる課題の一つは、社会・文化がつくり上げた役割分担による男性像・女性像の性別役割分担を前提としたものが性差別の根拠となり、女性への偏見につながるケースになります。働く女性の課題は、男性の生き方・働き方の問題に深く関わっている問題で、賃金格差や長時間労働の弊害が、日本の古い家族観から脱局できない理由でワークライフバランスが実現できないことには、日本の少子化問題も解決できないのではないでしょうか。仕事そのものは男女の別はないので、きっちりと仕事の格付けをおこなえばライフイベントに合わせた働き方は可能です。育児に合わせて働き方を男女関係なく短時間労働に変えたり、スキルアップのための兼業・副業を認めたり、そんな制度を企業単位で取り入れていくこともこれからの働き方だと思います。これからは、女性の労働環境が良い会社が選ばれる時代になると思います。