70歳までの就業機会確保と業務委託制度

 今年4月1日より改正高年齢者雇用安定法が施行され、これまでの65歳までの雇用確保の義務に70歳までの就業確保の努力義務が追加されました。2020年12月に実施された、「マイナビ人材ニーズ調査」によれば、2021年4月1日の段階でどのような対応を行うか聞いたところ、「いずれの対応も行わない予定」が35.0%、次に「70歳までの継続雇用制度の導入」が22.4%、「希望者と70歳までの業務委託契約を締結する制度」の導入が15.3%と5つある選択肢で「業務委託契約制度」導入が2番でであることが私としては意外な結果でした。また、2021年4月時点での定年年齢について「61歳以上」が52.3%で過半数を超えました。今のところ努力義務の70歳の就業確保の制度も、65歳定年制度の義務化も含め、対応を検討する時期にきているようです。

 

 70歳までの就業確保は、以下の措置を講じることが選択できます。

 ①70歳までの定年引上げ

 ②定年制の廃止

 ③70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入

 ④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入

 ⑤70歳まで継続邸に以下の事業を従事できる制度の導入

  a,事業主が自ら実施する社会貢献事業

  b,事業主が委託、出資(資本提供)等をする団体が行う社会貢献事業

いずれの措置を講ずるかについては、労使間で十分の協議を行い、高齢者のニーズに応じた措置を講じることが望ましいとされます。65歳までの雇用確保義務の経過措置期間が完了するまでの2025年までこれ以上の法改正が行われないことを示していますので、この間に準備ができます。

 

 

 近年、副業・兼業やパラレルワーク、フリーランスなど一つの会社に所蔵する以外の働き方が増えていますので、70歳までの就業機会の確保でも注目が集まるのも必然かもしれません。前向きに考えると高齢者の人材としての活用は人材不足の解消のみならず、シニア人材の持つ人脈や経験・技術・スキルなどの活用によって事業を大きく発展させるきっかけになるでしょう。業務委託契約は会社との雇用関係がありませんので勤務時間の制約もなく、使用者の指揮命令はなく成果物の完成を約する請負か業務の遂行を自体に報酬が支払われる委任・準委任契約があります。業務委託できる仕事があることが条件になりますので、社内にそのような仕事があるかを検討することから始まります。

 

  労働力人口の不足やグローバルでの競争力低下などが日本企業の課題になっていますが、地方の中小企業では今後のビジネス環境の変化に対応するためにも優秀な人材の確保が急務です。これまでは社内の人材のについて適材適所を徹底する考え方がなくても経営はできてきましたが、今後は採用計画のみならず人材育成・配置・評価など中長期的な人事マネジメントにおいて人材ポートフォリオを考える必要があります。新たな採用によって人材を確保する方法もありますが、70歳までの就業機会確保を活用して技術の伝承・若年労働者の育成、新規事業開拓など、企業業績の向上にむけ業務委託契約を締結するのも一つの方法です。中小企業こそ適材適所を徹底してすべての従業員が活躍できるような適切な人事マネジメントが可能であり行う必要があります。