今こそ目標管理の制度導入

 従業員のスキルアップや能力開発につなげるため、人事制度や課題解決研修などに目標管理(MBO)を行う機会が増えています。目標管理(MBO)は、企業戦略や経営計画を具体化して、達成するための目標をさだめ、達成するために何が必要かを自ら考えることのプロセスが社員育成に有効な方法として多くの会社で利用されているようです。上司からの課題ではなく、自ら決めた目標であるのでやりがいや責任感が伴い従業員のモチベーション向上に効果があると言われています。

 

 目標管理(MBO)のプロセスは、①目標の設定②計画と実行の進捗・達成度の確認③評価とフォローアップを部下・上司の面談で確認して行います。目標の設定時に組織全体の目標を部下・上司の間で共有し、目標が達成されれば企業にどのような貢献が達成可能かを確認しておきます。往々にして容易に目標を達成でいるレベルの目標を定める人がいますが、上司はコーチングスキルを駆使して、部下の能力の110%に修正する必要があります。目標管理の実際では、目標設定から評価まで、面談を行わないという話を巷でよく聞ますが、中間の面談で計画と実勢のギャップの確認と評価、修正を行うことがMBOの真骨頂です。PDCAのフィードバック分析から、課題解決の能力を磨くことができるのが、提唱者のドラッカーの目指すアプローチです。せっかく始めたら中間の面談を行わないのは、もったいないです。

 

 働き方改革で、従前の日本型人事制度からの脱却が求められ、さらにコロナウイルスの出現・感染拡大による企業活動の変化が、給与・人事評価などの今までの人事制度の変更を余儀なくしています。新たな時代に向かうことで、従業員の課題解決能力の向上など人材育成が重要な局面を迎え、生産性向上などの目的で目標管理(MBO)の制度導入が増えているのかもしれません。MBOのメリットは、目標達成のプロセスを自ら考えることができる人材を育成できること、モチベーションの向上が考えられます。デメリットは、対象者(部下)に寄り添いでいるようになるまで導くコーチングスキルが必要で、目標設定の難しさに加え、評価者(上司)の負担が重いことがあげられますが、部下と一緒に学ぶつもりで行えばなんとかなります。

 

 目標管理では、目標の設定と計画、進捗状態の確認が不可欠ですが、人事考課やフィードバックのためにはプロセスの記録があると評価者も被評価者も安心です。そんな時、便利なのが目標管理シートの活用ですが、必ず紙である必要もなくExcelやスプレッドシートなどの形式で作成されるのが一般的です。目標は組織全体の目標から導きだされますが、MBOで扱う目標は自分で完結できる目標が原則です。途中で会社や同僚の援助が必要であれば、進捗確認の面談時に上司に相談して相手の負担にならに程度の援助を求めるのも「あり」です。目標までの定量・定性の達成度、期限等を意識しながら計測可能な指針を定め、修正・再計画を行っていくプロセスを楽しく思えたらMBOは成功と思ってください。新型コロナ共生カオスの時代を乗り越えていくのに必要な能力です。