中小企業の人材育成の現状と課題について

 働き方改革やコロナ禍など社会・経済環境の変化に対応するために多くの中小企業で、新たなビジネスモデルを模索しています。今まで時代と違った価値観(パラダイム)に対応するためには、既存の概念を離れ利益を生み出す新たな仕組みや企業の価値を高める施策など試行錯誤を重ねて生み出していかなければなりません。中小企業にとって従業員一人ひとりの働きが業績に大きな影響を与えるだけではなく、大手企業を含め競合他社に対抗するためには人材の育成はより重要になってきます。しかし多くの中小企業経営者が抱える共通の悩みが人材育成です。

 

 以前より人材育成の重要性を感じ、コンサルタントありながら2年前まで人材育成の研修講師を約10年間務めてきました。畑違いながら様々な研修内容と受講生の反応から多くのことを得てコンサルタントとしての現在があると思っています。人材育成は中小企業にとって経営課題の一つでと考えながらも、人材育成や能力開発に全力で取り組んでいる企業はわずか4%という結果(中小企業庁調査)です。人材育成といっても現在の仕事に対する能力開発に関すること(OJT)と将来に向けての課題解決の能力開発があります。現状として指導する時間、人材がない、ノウハウがない、予算がないのナイナイ尽くしです。コロナ禍でますます人材育成が重要な時代、本気で取り組む必要があります。

 

 現在の仕事に関する能力開発でも、教える人が、職務のフローを描かずに指導の目的も持たず手順のみを教えることが多いようです。企業として職務分析をする、そのうえで効率的な仕事の手順、見直しを行う、時間がかかってもここから始めない働く人の感動を得れないと思いますし、人は育ちません。将来に向けての課題解決には最も重要なことは、経営理念であり将来のビジョンを目標としてしっかり示すことです。実務では結論から考える目標管理で、具体的な数字目標を求めますが、従業員に企業のミッションが伝わっていれば自ずと方法と達成期限などの答えを出してくれます。

 

 コンサルタントとして企業との最初の決めごとは、どんな会社にしたいのか?社会とのかかわり方、そのために採用したい従業員のすがたを言葉にして文章化します。それが経営理念でありミッションです。経営者は抽象的な夢を語り、その夢に向かって具体的な目標を定め、達成の時期や規模など夢をかなえるための企業の姿(ミッション)を描くのが従業員たちです。そのための日々を価値ある行動(バリュー)として自己統制のルールとして定めるのが人事や労務の制度です。今、話題の指揮命令の系統がなく動く「ティール組織」、中小企業だからできるのかもしれないと思っています。考えたり、実行したり・・面倒なことに取り組んでみませんか?