パラダイム変化の中、深刻な管理職不足

パラダイムとは、ある時代の特徴的な思想・価値観・常識など解釈され、本来は化学の分野で使われた言葉が経済・ビジネスなど広い分野で使われるようになりました。日本の労働分野でも働き方改革に伴うパラダイム変化に対応するために人事・労務の見直しがなされてきましたが、新型コロナ感染拡大による企業活動の自粛・制限等により、尚一層、パラダイム変化対応の必要性が増してきています。コロナ禍で飲食店のように多大な影響を受けた業種・それほどの影響でなかった業種もありますが、コロナ禍の生活様式の変化は、今後あらゆる業種・企業に大きな変化をもたらしてくるものと思われます。

 

 パラダイム概念はトーマス・クーンが有名ですが、パラダイム変化に関する彼の化学史観は「通常化学」「危機」「科学革命」を継起として、また外部への「閉鎖性」と「開放性」を継起として捉えることができると説きました。ビジネスにおける一つの時代に有効に機能していた概念が、崩壊の危機を迎え今までの考え方を根本的に変えるのが「パラダイム変化」であり、それを突破するには古い考え方の否定に始まります。ビジネスの世界では、斬新なアイディアで市場を変化させることになりますが、そのためには社会・経済の変化をキャッチする敏感さや従来のやり方にこだわりすぎない柔軟性が必要です。自分なりの問題意識と解決への仮説思考、多様な価値観とのコミュニ―ケーションの能力がこれから求められる管理職の能力です。

 

 一般的に中小企業の管理職の役割とは、仕事上の役割や職位に与えられた実際の仕事に対する部下の就業管理や教育、業務管理を行うことが主たる仕事になります。理想の中核人材、管理職を育てるのには、現在の業務遂行能力の知識を活用して、変化に対する問題意識と課題化、解決に向けた仮説思考と実行力、仮説に検証などを可能とする学習基盤が必要になってきます。しかし、人員・人材不足に悩む中小企業において、このような学習基盤の準備ができなかったことや管理職に一層の重責を担わせることが出来なかった経営側の判断も理解できます。しかし、管理職には経営側の見方から現状の仕事だではなく将来の中核事業の卵を育ててほしい思いもあるのではないでしょうか。

 

 いまの実情から提案しているのが、働き方改革・コロナ禍のもたらすパラダイム変化に対応するビジネスモデルを研修ではなく実学、仕事して立ち上げませんか?ということです。間もなく新型コロナ感染拡大の波がやってくるといわれていますが、この波が数年続くということを考えると何らかの手を打たなければならないと思います。企業理念や話題のSDGsから企業のあるべき姿を再設計して、SWOT分析などのツールを駆使して会社全体での取り組みを行うことで、現状の分析や必要な知識の習得など通じ、平常時には考えられないアイディアがでることもあります。「地頭力」が鍛えられる仕事で、メンバーも楽しんで取り組みますので、やる価値はあると思います。