職務分析と活用法について

 人事制度の見直しを委託されている企業様から、幹部社員に向けた「職務分析」実践研修の依頼があり研修資料を、先ほどお送りしました。同一労働同一賃金の基礎資料で、メンバーシップ型からジョブ型への日本型人事制度のパラダイムでは必ず必要になるものですが、難しさゆえになかなか浸透しないようです。資料の分析シートの職務作成例を分解・分析・評価・記載しているうちに、さまざまな活用方法を考え及ぶにいたり、他のモデリングを試しているうちに楽しくなってきました。企業のすべての仕事を職務分析・評価し、記述したら企業成長の可能性が広がります。

 

 日本型人事制度の代表格は職能人事制度ですが、新卒から退職までのサラリーマン人生を会社が保障した時代は良かったです。少子高齢化の中で、企業が退職勧奨を迫り、能力と職務が連動しない期待値のみの等級人事制度が限界にきています。その基礎資料が「職務評価」です。「職務評価」は、組織内の特定の職務の相対的な有用性を評価する試みで、組織内の比較による仕事分析・賃金制度の内部合意には役立ちますが、生産性向上の仕組みからは疑問符です。「職務分析」は、特定な職務のあらゆる側面に関する総合的・入念な研究になります。仕事の現在と将来の業務の見直しや技術開発を目的とするところが多く、「職務評価」が賃金制度決定の試みであるのに対して、その利点は採用・選考・業務評価・報酬制度の多肢に及びます。

 

 

 今回、委託されている企業様では、「職務分析」評価による人事制度の見直しの依頼ではありません。今後、仕事の細分化や見直しが必要になったときに幹部社員が、その方法論を学ぶことは有意義との社長の判断です。私も従前の人事制度から、突然ジョブ型に移行するのは無理があると思っていますし、メンバーシップ型の協調性や規律性などの良い面は残すべきだと思っています。(組織開発の必要性が生まれます)人事制度は、等級人事制度・賃金制度・評価制度の各制度が連携して構築されるものですが、その際もっとも重要なものが企業理念・風土です。「職務分析」は、必要と考えたときにされれば良いこと、膨大な時間と労力が必要な仕事です。

 

 以前から「職務分析」の有用性について考えてきました。人事・労務のみならず様々な企業施策の役立つかもしれない可能性については、多くの人に知ってほしいと思っています。最も浮かぶのが業務プロセスの改善だと思います。これは「職務分析」の職務書き出し、課業分類で多くの実施者が「ムリ・ムダ・ムラ」不自然な作業工程に気づくようです。職務評価は、職務明細書や職務仕様書の作成に行うものと一般には言わますが、中小企業では分析シートをエクセルの転記するだけで、採用時のジョブディスクリプションであったり、職業能力開発プログラムの資料であったり、最も大事な職務分担(課業管理)の基礎になります。その他にもいろいろな活用法がありますが、作成には覚悟を持って臨んでください。大変です・・・!