労働時間等実態調査

 経団連は9月15日、「2020年労働時間等実態調査」集計結果を発表しました。一般労働者の総実労働時間(年間平均)は、2018年の2,031時間から2019年は2,000時間に大幅に減少し、時間外労働時間(同)も、2018年の196時間から2019年は184時間に大幅に減少しています。その要因の一つとして、働き方改革関連法の施行が考えられるとしています。従業員規模別では、5000人以上規模の企業において、総実労働時間が最短になっていますが、100人未満企業でも2018年から2019年にかけて大幅減少しており、中小企業の法施行前に改善されています。管理監督署者の総実労働時間も、全体、製造業・非製造業とも減少傾向にあります。

 

 管理監督者と一般労働者の総実労働時間の比較では、2019年の一般労働者2,000時間に対して、管理監督者は2,022時間と少し長い傾向にあります。2017年から2019年の比較で、管理監督者は一般労働者に比べて多少長い傾向にありましたが、時間差で9時間、13時間から22時間と徐々に増加の傾向がみられます。一般労働者の時間外労働時間は、全体・業種別ともに2018年から2019年にかけて大幅に減少しています。その理由としては、時間外労働の上限規制が導入された大企業を中心に時間外労働削減の努力の結果だと思われます。時間外労働時間の年間平均分布をみる2019年は、全体では原則の年間360時間未満の企業が9割になりました。また、年間720時間以上の企業のすべてが中小企業という結果でした。

 

 年次有給休暇の取得率は、年々上昇していましたが、2019年は約7割になっています。働き方改革関連法における「年5日の年休取得義務」の2019年の施行が取得率の上昇につながったと考えているようです。従業員数別では、全体として増加傾向にありますが、従業員規模が大きいほど年次有給休暇の取得率が高い傾向にあります。今回の改正では罰則規定が導入され、年次有給休暇の個人別日数の管理等に注意が必要です。煩雑になりがちな管理ですが、年次有給休暇の斉一的付与のルール化や計画年休半日付与等の工夫が必要です。ちなみに時間単位年休は、義務化される年5日にはカウントされないので注意してください。

 

 新型子コロナ感染症の感染拡大により、日本の経済社会におけるデジタル化が世界に比べて立ち遅れている実態があらわになりました。今回の調査では、国が勧める電子申請に関する質問がありましたが、電子申請により36協定、就業規則など労基法等の手続きができることについて、知っていると答えた企業は約9割程度でしたが、実際に手続きを行っているのは10%未満となっています。理由としては不都合を感じないことや書面の方が確実との意見が多数ですが、今年4月から大企業や特定企業の社会保険・雇用保険等の届出など義務化されており、協定届についても利用の推進が要請されると思われます。中小企業にも近い将来に義務化となると思われます。使い勝手の悪さが指摘されるシステムも改良予定になっていますし、手続きに行政に出向く往復時間も削減されますので、労働時間の短縮からも電子申請の活用をお勧めします。