新型コロナに関する就業調査と今後について

 この度、労働政策研究・研修機構から新型コロナ感染症に関連した4月からの連続パネル個人調査の6~7月変化(8月調査)を中心に行った結果を公表しました。有効回収数(雇用者4,307人:フリーランス574人)8月1日~7日を調査期間としたWEB画面上の記入回答方式でした。新型コロナウイルス感染症の関連した影響が4~5月にかけて「勤務日数や労働時間の減少(休業を含む)」をトップに上げる割合が多かったのですが、今回の調査では、前述の回答が2位になり、前回から引き続き増加した「収入の減少」に影響の中心がトップにシフトしています。感染症の収束が見えないことについては、「かなり不安」「やや不安」の合計が概ね9割(86.9%)と多くの人が不安を感じている実態が浮かび上がりました。特に「収入減少に伴う生活への支障」について、雇用者の6割、フリーランスの7割が不安と回答しています。

 

 4~5月にかけて緊急事態宣言の影響もあり、勤務時間や労働日数の減少など企業の雇用調整の特殊事情下で、前述の調査結果通り、働く人の不安が集中することは納得できます。5月25日の全面解除後の「仕事をしている時間」「税込み月収」の変化をみると、揺り戻されてきたものの7月最終週においても、新型コロナ発生前の通常月の状態には戻っていません。感染収束が見えない現在と秋・冬にかけて新たな感染拡大が危惧されていますが、労働時間、収入が通常月に戻らないことが、「収入減少に伴う生活の支障」を心配する結果になっているようです。新型コロナ感染症に関連した「休業」に関して、働けるのに勤務先から自宅待機を命じれた経験は、雇用者の6割を超え(64.3%)、休業手当の「休業日の半分以上の支払い」(54.1%)、「休業日の一部の支払い」(21.9%)「まったく支払われていない」(24.0%)と雇用調整助成金の普及率はかなり低いようです。

 

 コロナ禍で注目を浴びた在宅勤務・テレワークですが、感染症の問題が発生する前の通常月では、7割超の企業がテレワーク等を行っていないと回答していました。緊急事態宣言から4~5月においては、7割以上の企業が1週間あたりの実施日数を決めてテレワーク等の実施をしたようです。今回の調査では、宣言解除以降の7月最終週では、「行っていない」(51.2%)が半数を上回り、WEB会議など何らかの対応を行っている大手企業と中小企業との事業規模による対応の違いが顕著になっているようです。以前よりテレワークに取り組んできた大手企業ほど中小企業ではリモートアクセス環境が整っていないことや対面コミュニケーションが前提となる働き方の違いなどが顕著に表れたようです。しかし、テレワークは企業競争力の向上や事業継続計画(BCP)対策の一環として、コロナ禍収束後も根付いていくことが予想されます。

 

 事業継続計画では、市中感染状況に応じて段階的に業務を縮小することになりますが、現状年間売上げの80%で事業を継続する方法を考えることになります。欠勤率の増加や行政からの営業時間短縮の要請など、無理な業務継続をしても社内感染を拡大させれば営業停止を余儀なくされるので、事業継続計画に従って収益率の高い業務に人員を集約する計画が必要です。今回の調査結果を見ても7月段階で通常業務に戻れていないことに大きな不安を感じていますので、再度の緊急事態宣言後における事業継続の方法や収束後の事業再開の期間など細部にわたり感染予防策を含め労使のコミュニケーションが必要だと思います。その過程で、収益率の高い重要業務における仕事の進め方(業務改善)、マルチマスク、テレワークを推進するバックオフィスの在り方など価値に高いコミュニケーションが生まれます。