新型コロナ自粛で変わった仕事への考え方

先日行われた経済財政諮問会議で、経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2020の原案が示されました。新型コロナの問題を歴史的危機と捉え、ウィズコロナ下での政策の基本方針について述べられています。今回の感染症対応支援策の実施を通じて、我が国の課題やリスク、これまでの取り組みの遅れや新たな動きなど浮き彫りになりましたが、感染症の対応として広まったテレワークがもたらした、新たな働き方やワーク・ライフ・バランスの流れを最大限に活かして働き方改革の取り組みを加速させると述べています。今起こりつつある変化を後戻りせずに、教育、企業、社会の仕組みや慣行など10年分の変革を一気にすすめる取り組みと新たな日常(ニューノーマル)の実現が不可欠としています。

 

 「新しい働き方・暮らし方」では、個々人が多様な働き方を選択できるように労働時間の管理方法のルール整備により兼業・副業の推進、複線的な働き方や、育児・介護など一人ひとりの事業に応じた柔軟かつ多様な働き方を労働者が自由に選択できる環境整備を行うとしています。また、テレワークの定着・加速を図るため、新たなKPI(重要業績評価指標)を策定するとともに、中小企業への導入に向けて専門家による無料相談対応や全国的な導入支援体制の構築などの各種支援策を支援するとしています。テレワークの浸透に伴い、個人の職務内容や責任の更なる明確化が求められる現状において、業務遂行に必要な知識や能力に関する要件の整理など「ジョブ型正社員」の普及・促進の格好の機会と捉えているようです。

 

 

 労働者が職務の範囲で裁量的・自律的に業務が遂行でき、企業においてもテレワークに即した成果型で弾力的な労働時間管理や処遇ができる制度の在り方を検討する必要があります。今回の自粛期間の間に、多くの労働者が自分自身の生活やキャリアを見つめなおして、転職等を考えたゼロベースで「どうあるべきか」を考えたようです。これまで水面下で燻っていた課題が、働き方や考え方を変えていくことは間違いないようで、企業も対応できる人事労務管理を整備する必要がありそうです。コロナ禍で仕事・生活のどちらを重視するかという調査では、50%が生活を重視するように変化したと答え、20代では61%、30代では56%と若い世代の意識変化が大きいようです。(6/21内閣府調査)

 

 仕事によってはテレワークに転換できない等の理由もありますが、6月21日内閣府の行った調査では、就業者全体の39.9%がテレワーク利用を希望しています。地域別では東京23区(55.5%)、東京圏(48.9%)、大阪・名古屋圏(32.9%)となっています。事業規模の大きい会社ほどテレワークの導入率が高い傾向にありますが、地方圏の実施率は26.0%にとどまっています。テレワーク経験者と通常勤務者で、前述の生活重視に変化した人の割合が64.2%と34.4%と大きく違いました。また、多くの人がワーク・ライフ・バランスや副業などを意識するようになっていますが、この傾向はテレワーク経験者に強くみられます。企業としては、家族と過ごす時間を大事にする従業員が増えてくる傾向が予想されますので、残業の削減や転勤の廃止など人事・労務に関する対応が大事になるかもしれません。