
緊急事態宣言の終了期限前の今月4日、政府は緊急事態宣言を全国一律で延長する一方、外出自粛や施設使用制限などの強弱をつける対応で特定警戒都道府県とそれ以外の34県を区分しました。これを受けて特定警戒区域以外の34県では、飲食店への営業時間短縮要請の解除や公共施設の再開など自粛緩和に向けた広がりが始まっています。大阪府や東京都においても、独自基準を設けて早期解除を探る方針を示しており、今月末に向けてその判断が注目されるところです。ようやく事業再開の可能性がでてきたとはいえ東京を含む関東圏、大阪などの関西圏では、まだまだ不安が大きいことと思います。
新型コロナウイルス感染拡大までの政府の対応を見るにつけ、新型インフルエンザ等対策特別措置法が従前予定していたフェーズ設定と対策が大きく違っているようです。この法律は、当初SARSなど未知の感染症の国内発生時において、国民の生命を保持し、国民生活および国民経済に及ぼす影響が最小となるように、国、地方公共団体、事業者の体制整備について定めたものです。その上で緊急事態発生の際の措置として、外出自粛要請等の緊急事態宣言が行われ、学校・興行場等の多数の人が利用する施設の使用制限などを定められています。(法45条)この時点で、警察・病院等の治安や社会的インフラの確保や社会的要請により事業の継続を求められる事業、感染対策を講じて事業の継続を求められる一般の事業に分かれると認識していました。現在、自粛要請が行われている飲食の事業は一般の事業ではないかと・・・

地震など自然災害の事業継続計画と感染症の事業継続計画の違いは、被害想定が人であることと新型感染症の流行が2~3年間、断続的に発生する想定の長期的な計画であることです。新型コロナでは血管内での血栓発生による脳梗塞等の発症やサイトカインストーム(免疫暴走)など重篤な事例も報告されていますので、現在の事業継続の感染防止体制の強化と次の感染流行期に備える必要があります。事業継続計画には、新型コロナに関する従業員の正しい理解と日常の感染防止に対する行動変容は必須になります。事業継続の計画と感染防止対策は、現場の意見を踏まえながら実行可能な具体的取り組みを考える必要があります。
感染症事業継続計画(BCP)は、感染症の拡大期に多くの労働者が感染により最大40%欠勤するケースで、事業を継続する体制を作りあげることを主目的にしています。PCR検査が誰でも受けられない実情を考えると「感染の疑いのある従業員」の休業命令を含み、細部にわたる従業員との合意形成が必要になります。緊急事態の継続により経済活動の停滞などにより、さまざまな経営活動にも大きな影響があり計画休業を余儀なくされても、複雑な雇用調整助成金の支給申請に悩まれている経営者の方も多いと思います。新型コロナ渦から弊事務所のホームページに訪問いただく方の多くは関東圏、関西圏の方々で、遠い地にあってもクラウド・スカイプなどWEB空間を活用し、自分の智識・経験を役立てることを考えています。3年は続くといわれる新型コロナとの共生策、間もなく公開できるかなと思っています。