新型コロナ感染拡大と事業継続

 新型コロナウイルスの感染は全国に広がり、東京都及びその近隣県、関西、福岡等の全国主要都市は「緊急事態宣言」の発出により大きな経済的損失が生じています。感染拡大を最小限にとどめることが第一義ですが、このまま感染拡大から収束まで数か月となると・・・企業倒産などの最悪のシナリオが見えてきます。事業継続の道筋を考える時期に来ています。それには、多くの人が集まる場などを提供し国や都道府県が活動の自粛を要請される企業、医療やライフラインなど国民生活の維持に大きな影響を与え事業の継続を求められる企業、従業員の感染の危険性と経営維持の観点から総合的に事業の継続を図る企業の3つに分類され、それぞれに対策を企画・立案する必要があります。

 

 新型コロナウイルスなどの感染症が発生した場合などにおける企業の事業運営方針や対応体制などを、あらかじめ定めた計画を事業継続計画(BCP)といいます。残念ながら多くの企業でこのBCPを作成していません。感染拡大期に従業員に企業への出勤を命じながら感染防止の対策を講じなければ、従業員の罹患すなわち損害賠償請求と捉えたほうが良いかもしれません。BCPは広義のリスク・マネジメントですが、これから作るとしたらクライシス・マネジメント(初期対応・事後の被害回避)として、目的、指針、組織体制、感染が疑われる場合や感染時の対応などの事業継続管理に伴う労務上の取り決め(規程)をすぐに作成することをお勧めします。・・従業員の安心のために。

 

 

 感染の予防・防止等の対策は、現在において想定できない事例や新たな対応策の発見を考えて「マニュアル」で対応した方が良いと考えています。新型コロナウイルスの正体が良く分からないこと、また変異・強毒化の可能性が捨てられないことから常に見直すこと前提として作成したほうが良いでしょう。医学的見地は医療の分野にお願いするとして、人と組織のコンサルタントとしては労働者の感染を防ぎ、事業規模縮小の中で最大限の収益確保を目指す対策を考えることになります。すなわち感染拡大初期から爆発的感染期、収束に至るシナリオのなかで人的密度の低下(事業の規模縮小シナリオ)と中核業務の維持、休業者対策等です。

 

 

 マニュアルは感染3要素(感染源・感染経路・感染しうるヒト)から、その状況分析・被害想定・対応策を考えることになります。事業規模の縮小は労働者の賃金の減少を意味します。だからこそ事業縮小から普及までのシナリオ(事業継続)が必要だと考えています。働き方を変えて中核業務に資源を集約してワークシェリングを行う、ルーティン化した仕事・指示に従った仕事が多い企業の現場では「それは無理」とか「できない」とか言いますが、「今まで通りにはいかないので考え・実行する」これに尽きるかと思います。レストランの自粛で、この時期だけの弁当販売の新規事業への参入などの例がテレビで報じられていますが、このような対策も有効ではないでしょうか。ここ数年、政府の勧める「働き方改革」で、セミナー・企業支援などを行ってきましたが、新型コロナウイルスに突き付けられた課題こそ、日本人の働き方を何よりも大きく変えるかもしれないと感じています。