新型コロナウイルスと事業継続計画

 新型コロナウイルスの国内感染の広がりが新たな局面を迎えているようです。企業としては人員の確保、サプライチェーンの確保に努め、中核の業務を継続させることの計画作成が喫緊の課題になりつつあります。H5N1型インフルエンザ事業継続計画を既に作成している企業では、多少の修正を加え準用することができると思います。事業継続計画とは、企業が自然災害、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段など取り決めておく計画のことです。

 

 ウイルスを原因とする事業継続計画と自然災害のよる事業継続計画では、ウイルス被害の対象が主として「ヒト」であることに対して、自然災害では施設・設備等の社会インフラへの被害が大きいことに違いがあります。事業継続方針の立て方も、自然災害ではできる限り事業を継続しながら早期普及を図るのに対して、新型コロナウイルスでは、従業員と顧客の感染リスク、社会的責任、経営面を勘案して事業継続のレベルを決めることになります。国民の生命維持に係る医療従事者や社会機能の維持に係る消防士、警察職員等は機能の低下を来さない計画が必要になります。国民の最低限の生活維持に係る事業者であるガス・石油事業者、食料品・生活質需品製造販売業者は、事業を継続することへの地域等からの社会的要請が推測されますので、継続レベルを決める必要があります、

 

 

 新型ウイルスの感染拡大期は数か月に及び、感染拡大期が2~3年間継続する傾向があり、感染期が2回以降になるとウイルス変異による強毒化も想定されるといわれています。今回の国内感染の被害だけで安心したり不安になることなく、2波、3波に備え事業継続計画の精度を上げる対策体制の確立をしてください。事業継続計画の立案に当たっては、経営責任者が率先し、危機管理・労務・人事・財務・広報などの責任者を交えて行うことが必要です。特に発生時の情報収集、連絡体制の整備が重要です。意思決定に当たっては平時から正しい情報を収集し継続して入手できる体制を整備し、流行時には日々の従業員と同居親族の発症状況の確認する体制を構築します。

 

 多くの企業で事業継続計画がないケースも想定されますが、感染拡大により欠勤者が不足してくると中核事業がまわらず、何から手を出せばよいのかも分からない悩みが生じると思われます。今からでも最初に何をして(初動)、どのような関係の人たちとどのような行動を起こし、どのような情報を共有すべきかをシミレーションしておく必要があります。事業の影響を分析を行い、当面行わないことで大きな影響を及ぼさない不要不急の業務と重要業務の特定も行う必要があります。 現在の国内感染の集団は全国に広がりつつも小さく限られていますが、一挙に感染が拡大して大規模集団での感染がみられるようになると思われます。流行蔓延期までのストーリーは一挙に進む可能性を考慮して対策にあたるべき時期にきていると思われます。