70歳までの就業機会確保の向けた動き

高齢者の雇用・就業機会の確保などを目指す労働政策審議会の雇用対策基本問題部会の会合が実施され検討資料などが公表されました。注目は「70歳までの就業機会の確保」です。今年6月に閣議決定された「成長戦略実行計画」や「骨太の方針」にも盛り込まれ、同時に老齢年金受給開始年齢の変更等社会保険制度への影響が懸念され、企業の経営でも何らかの影響は避けられないと思われます。具体的には65歳から70歳までの就業機会確保について、後述する多様な選択肢を法制度上整え、企業としてはそのうちどのような選択肢を用意、該当する従業員との話し合いを行って、適用する選択肢を決定する仕組みを考えているようです。

 

法制度上の整えるとされる選択肢のイメージは次のとおりです。

   ①定年の廃止

   ②70歳までの定年の延長

   ③継続雇用制度導入

   ④他の企業(子会社・関連会社以外の企業)への再就職の実現

   ⑤個人とのフリーランス契約への資金提供

   ⑥個人の起業支援

   ⑦個人の社会貢献活動参加への資金提供

 

政府は、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする高年齢者雇用安定法の改正案を、来年の通常国会へ提出する方針です。

 

 

また、今回の部会では「高齢者の雇用に関する調査結果(速報値)」も紹介され、現行の高年齢者雇用安定法での実施状況や高齢者の就業・生活に関する実態の把握は、企業の今後の人材戦略においても有効な調査のようです。それによりますと定年後の仕事は「勤務先の会社などの再雇用・勤務延長の形で働いていた」と答えた方が約6割、「勤務先からのあっせんによらず別の会社などに再就職した」と答えた方が約2割となりました。労働者の体力等の衰えに対する勤務先の配慮については、個人的な問題として配慮してもらえないと答えた方が約4割、「配慮してもらっている」31.6%、「申し入れば見直し、検討してくれる」(12.6%)となっています。

 

 

現在の継続雇用制度での正社員比率は約5割ですが、65歳以降の働き方(就業形態等)の希望では、「パート・アルバイト」が4割、「正社員」が2割となっています。65歳以降も働きたいと考えている人で、今の会社で働きたいと6割以上が答える中で、規程上は今の会社で働けるが別の会社で働きたいと考えている人たちがいます。体力的な衰えによる理由であったり、人間環境や職場環境であったりしますが、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となることが現実化しつつある今から、企業の実態の即した選択肢の検討が必要になるようです。