若年者雇用の現状と企業対策について

 地元の求人募集が、今月、過去最高を大幅に更新するなど人手不足が身近にまた深刻化してきています。そんな中、厚生労働省内において議論されている「今後の若年者雇用に関する研究会」報告について、現状と今後考えられる企業の対策などを紹介したいと思います。報告では少子化に伴い若年労働者が減少する中において、地域の活性化、社会経済の安定的発展の実現のためには、若年者のマッチング雇用の促進とその能力の有効な発揮が重要としています。大学生の新卒採用については、就職慣行の大幅な変化に伴い、適切な情報提供による適職選択の促進、安定的な雇用環境の下で円滑にキャリア形成を行うことができる環境整備の強化の促進が求められています。

 

 若年労働力人口(15歳~34歳)は、2007年(2035万人)から2017年(1711万人)までの10年間で約320万人が減少し、また新規学卒者の就職率は新規大卒者(97.6%)、新規高卒者(98.2%)と過去最高水準となり、この傾向は10年、20年と続くと予測されています。

 いわゆるリーマンショック(2008年)以降、急激に悪化した雇用失業環境に対応するために、学卒未就労者、若年失業者を減らすことを優先にマッチング支援を強力に実施した結果、完全失業率はバブル期以来の低水準、フリーター等非正規雇用も穏やかに減少傾向にあります。しかし、2000年前後のいわゆる就職氷河期世代では、非正規雇用の増加、若年無業者(ニート)の増加など社会全体で取り組むべき課題も現れています。

 

 新規学卒者の就職後3年以内離職率は、4年前比べて大卒者31.8%、高卒者39.3%と大きな改善がみられません。離職の理由としては「労働時間・休暇・休日の条件が良くなかったため」をトップに「肉体的・精神的に健康を損ねたため」「人間関係よくなかったため」と男女とも約3割の人が理由としています。それら対応策として、若者雇用促進法おいて①職場情報の積極的な提供、②ハローワークにおける求人不受理、③ユースエール認定制度など、若者の雇用の促進を図り、その能力を有効に発揮できる環境の整備を目的として2015年10月より順次施行されています。

 

 地方の中小企業では、若年労働力人口の減少に伴い新卒者採用が難しい状況にありますが、3年以内離職理由には「自分のやりたい仕事とは異なる内容だったため」(男性:26.0% 女性:23.0%)、「仕事が上手にできず自信を失ったため」(男性:220.5% 女性:19.8%)、「キャリアアップするため」(男性:22.6% 女性:13.7%)と職場環境や能力開発等の制度整備によっては、若年者雇用に繋げられる要素があると思います。仕事の業務水準を定めずに簡単な引継ぎのみで、時間と経験の積み重ねで、仕事を覚えていくものと私を含め昭和的な発想になりがりですが、丁寧なOJTができる時代ではありませんので発想の転換が必要です。中小企業ならではの細やかな対策で将来の中核人材獲得の必要があります。