兼業・副業雇用に関する雇用保険適用

 働き方改革関連法の施行から半年余り、労働時間の上限規制も、年次有給休暇取得義務化についても、企業のジョブ基準の業務改善、組織の関係性における組織開発に尽きると・・私はコンサルの現場で感じています。働き方改革に関する相談等も増えていますが、今日は働き方関連助成金のうち「時間外労働等改善助成金」に関関しての講師依頼で30分ほどのセミナーを行うことになています。先日、政府が働き方改革の一環として推進する兼業・副業等に関する雇用保険適用に関しての報告書が厚労省・雇用保険部会から提出されましたので記事にしたいと思います。

 

 複数事業所で雇用される者(マルチジョブホルダー)は、就業構造基本調査によれば本業・副業も雇用である労働者は増加傾向にあり2017年でで約129万人(男性:57万 女性:71.8万)となっています。労働政策・研修機構の調査では、就業者13万人のうち副業をしている回答した人は9229人で、現在雇用保険の適用がされておらず週所定労働時間の合算が20時間以上の適用対象者と考えられる人が371人との結果が発表されています。ダブルワークは長時間労働が見えにくい等の課題が指摘されたいますが、雇用保険制度の趣旨からこれらの結果から適用の必要性が直ちに高いとの評価には結びつかないようでした。

 

 副業・兼業の目的として「収入補填」「知識・スキルの習得」に大別する見方もあろうかと思いますが、他の属性と比べて20~30代の男性に自己実現・スキルアップの要望により後者の目的で選択する傾向が高いことが意識調査の結果からも出ています。副業により、「本業の仕事の進め方など高い」「本業のモチベーション向上に繋がった」などプラスの効果・結果を示す数値が高く、この傾向は続きそうです。

 

 今後、考えられる雇用保険の適用・給付に関して、「所定労働時間20時間基準の引き下げ案」、「複数事業所の所定労働時間合算案」の2案があるようです。私見として労災保険法等の改正適用を考えると後者の合算方式が妥当かと思いますが、給付目的の違いから単純ではないようです。

 企業としては労務提供の支障や企業秘密漏洩などのデメリットなど懸念されるところですが、労働時間以外の時間の自由、労働政策の流れとして、兼業・副業を認める方向でのルール作りが必要な時期にきていると思います。健康管理のために就業時間の把握・管理、職務専念義務・秘密保持義務の確保など労使協議の上、必要な様式・規則等を準備されてはいかがでしょう。