働き方改革に伴う「しわ寄せ」への対策

  政府は8月22日、「第10回中小企業・小規模事業者の長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキンググループ」を開催し、資料をHPに公表しました。また、「働き方改革に伴う「しわ寄せ」への進捗について」、「働き方改革推進支援センターに寄せられた相談事例」などが配付されました、。大企業・親事業者の働き方改革による下請等中小事業者への「しわ寄せ」防止のための対策の進捗状況については、働き方改革関連法に関する説明会への中小企業庁職員の派遣、大企業等の経営トップが参加する会合などで短納期発注等の防止の要請などを行っているとしています。今後、業界団体において「しわ寄せ」防止・改善に向けた取組の推進に期待したいところです。

 

 働き方改革支援センターに寄せられた相談事例や下請Gメンヒアリングで把握した中小事業主が直面している課題は、生産性の向上や人材確保のための支援策が十分浸透に浸透していないとう課題が見えてきます。一部の職歴の長い従業員に責任ある業務が偏っているなど一部の有能な社員に頼っていることで、時間外労働の上限規制や年次有給休暇の時季指定などで代替社員の確保ができないことを課題とする企業が多いようです。人手不足のよる新規受注ができず売上が伸び悩む、また残業を減らし生産性を上げるための仕事の見直しができる人材がいないなど人材の確保、育成に頭を悩ます企業が多いようです。

 

 昨年12月に下請振興法の「振興基準」が改正されました。下請法とは異なり、資本金が自己より少ない中小企業等に対して製造委託を行うなど幅広い取引が対象となり、親事業者と下請事業者の望ましい取引関係を定めています。親事業者は、下請け事業者の働き方改革を阻害する不利益となるような取引や要請は行わないこととなっており、やむを得ず短納期発注や急な仕様変更などを行う場合の残業代などの適正なコストは親事業者が負担することになっています。

 下請事業者に対する監督指導において、労働基準関係法令違反が認められ、背景に親事業者による下請法 違反行為等の存在が疑われる場合には、公取委・中企庁に通報することになっています。

 

 今後、企業において、管理者・労働者に対する研修開催による「働き方改革」に向けた理解促進は必要だと感じています。残業を少なくすること=残業代削減と誤解している労働者の方が多くおり、企業としても基本給を上げるための取り組みであることをメッセージとして送られたほうが良いです。中小企業では、まだまだ機械化、IT化が全体的に遅れているといわれますが、生産性向上に向けた設備の導入・ITツール導入や人材確保向けた取り組みに対して助成する制度があります。間もなく順次、申請締め切りを迎える時間外労働改善等助成金の各コースですが、中核人材育成に向けて助成金の積極的な活用を検討されたらいかがでしょうか?