急がれる中核人材の育成

 生産年齢人口が減少する中、経営者の高齢化に伴う事業継承などの問題のみならず、経営課題の上位に「人材の不足」が挙げられる深刻な状況が続いています。特に中小企業では、企業の持続的成長・発展に必要な付加価値創出を担う「中核人材」の不足が顕著となってきています。企業における中核人材は業務遂行のリーダーシップを発揮する人たちであり、組織の長として部下をマネジメントする、あるいは高度な専門能力で画期的な企画を立案するタイプの人材をいいます。中核人材と呼ばれる生産年齢人口35歳~49歳の年齢階層で見ると、2030年において2012年との対比では20%も激減する調査データもあります。今後、中核人材の外部調達はますます難しくなると考えられます。

 

 働き方改革を進める上で、労働時間の短縮や年次有給休暇取得に向けた取り組みが行われていますが、このしわ寄せが中核人材である管理監督者の長時間労働につながっているようです。業務改善に向けた取り組みでは、業務プロセスを業務フローに落として組織において実施すべき各々の仕事と手順や過程を俯瞰してみることになりますが、多くの仕事が中核人材である上位役職者に集中していることが分かります。明確な職務分担がなされない結果、単純作業も行ってしまうケースも見受けられます。将来、企業が中核人材に期待することは、時間当たりのアウトプットを増やし労働生産性を向上させること、高付加価値の商品・サービスの企画立案、高価格へのチャレンジの2点に絞られる思われます。そのためには今の仕事の改善をすすめ、効率的な仕事の進め方をしていかなければなりません。

 

 

 過去において生産年齢人口の減少による就業者数、雇用者数の減少が懸念されてきましたが、働く女性・高齢者の増加に支えられ今年5月には77か月連続して増加傾向にあります。パートタイム労働が多いので就業形態別での比率では2017年時点で30.8%へ上昇しています。(厚労省:毎月勤労統計調査)

 同じ調査での就業形態別年間総実労働時間では、パートタイム労働者プチ勤務等の短時間労働の傾向もあり着実に少なくなっていますが、一般労働者の年間総実労働時間は大きく変わっていません。雇用者数の増加にも関わらず一般労働者の労働時間へに寄与度は小さい可能性があります。業務フローからも気づきますが、非効率的なプロセスがあるのかもしれません。

 

 業務フローの役割は、業務改善と業務マニュアルの作成にあります。仕事の流れや手順が可視化されることで業務の習得がしやすくなり現場での指導も軽減されます。仕事の流れが共有出来ることで、非効率的な業務プロセスが発見できるなどのメリットがありますが、何よりも中核人材への期待の一つ、時間当たりの生産性を向上させることができます。高付加価値商品・サービスの創出ためには専門性や技術力を磨いたり、アンテナを張り世情に通じ、将来の企業収益に向けた時間あるいは学びの時間を創出しなければならないと思います。企業を含め地域、行政もこれからの中核人材が活躍できる土壌つくりが必要な時代ではないでしょうか。