
外国人労働者の受け入れを拡大する改正入国管理法が4月1日に施行されて、間もなく3か月になろうとしています。人手不足が深刻化している介護、建設など14業種について、5年間あまりで最大34万人の外国人を受け入れる見込みです。
このたび株式会社マイナビは、非正規雇用の採用業務担当者を対象に「外国人に関する業種別採用調査」を実施し(有効回答数1519名)を、今月19日に発表しました。非正規雇用で外国人を「採用している」割合が34.7%、「今後採用していきたい」の割合は50.9%になり、ほとんどの企業で外国人の採用を考えていることがわかりました。
企業規模の採用実績では、大企業に属する(正社員数300人以上)採用担当者の回答の51.6%対して、中小企業に属する担当者の回答が27.6%と大きく乖離した結果になっています。外国人の受け入れ関しては、受け入れ企業の体制整備が急務とされてきましたが、受け入れの取り組みにかんしての問い(複数回答)に関しての結果も発表されています。「外国人向け教育整備(多言語マニュアル等)21.1%、「日本人社員の語学力の強化」20.6%、「公正な能力評価の構築」20.1%、「外国人社員の生活支援」19.8%となっています。外国人労働者の受け入れに間しては、言語習得が最大の課題となっていましたが、マニュアル活用や日本人社員の語学力強化など、外国人労働者が孤立しないコミュニケーションの取り組みが上位に挙がっています。

外国人を採用して課題として感じたことは、「日本語能力」57.1%、「文化や価値観の違い」40.6%、「仕事に対する姿勢、考え方の違い」37.6%が上位意見となっています。現在、非正規雇用で外国人を採用している業種では、今後の訪日観光客の増加が予想されることもあり、外国語対応の期待から「接客(ホテル・旅館)」「販売・接客(コンビニ・スーパー)」「ホール・キッチン(飲食・フード)」の業種で採用意向が高いようです。東京オリンピックに向けて人手不足が深刻な「建築・土木作業員(建設・土木)」では、非正規雇用形態の採用実績では14.0%、今後の採用についても採用に前向きな回答が37.0%、他の業種に比べても低い回答になっています。
人手不足は待ったなしの状況であり、早急な対策が求められます。では、総務人事部門としては、具体的に何をすべきなのでしょうか。外国人労働者の受け入れに関しての大きな問題は言語の壁です。コミュニケーションの面で外国人、日本人ともに不便を感じるケースが多々ありますので、日本語能力の習得に向けた教育支援を考える必要があります。
また、仕事に対する姿勢、考え方の違いを埋めるためにも企業の目指す価値観(経営理念)を共有してもらう必要があります。適正な労働条件の提示、仕事の評価に関する基準を明らかにして、「この会社で働き続けたい」と思ってもらうことも必要です。
遠い外国で働く外国人が不安にならないような生活面の支援が何よりも大事かもしれません。孤立させない気配り、地域のイベント参加など地域に溶け込んでもらうとなど、外国人労働者に選ばれる企業となるべく総務人事部として率先して対応すべきではないでしょうか。