パワーハラスメントに関する企業の取り組み

 先日、このブログでパワハラ対策に関する企業の義務化についての記事を書きました。しかし、社会問題化している社内ハラスメントや顧客や取引先からの著しい迷惑行為について、企業内で知識や経験を蓄積して独自の対策を講じているもののマンパワーの不足などのために十分な対応ができていないことが多いのではないでしょうか。私自身、今年は時節柄「働き方改革」に関するコンサルタントや研修、相談などの仕事が多いのですが、続いて多いのが「パワハラ」です。パワハラに関する相談、労災請求等の依頼・手続き、研修会などを通じて、いつでも起こりえる身近な大きな問題と感じています。

 

 6月7日、労働政策研究・研修機構では「職場のパワーハラスメントに関するヒアリング調査結果」を公表しました。ハラスメントに関する問題意識の高まりとともに、企業では相談窓口への訴えが増加し、対応に迫られています。しかし、それら対応の実態は、各企業の経済活動、リスク管理、従業員のプライバシーにかかわることで、今まで明らかにされていなかったことですが、今回調査に協力いただける企業、団体に対してヒアリングによる実態調査、書面調査によりさまざまなことが見えてきたようです。それによるとほとんどの企業で、就業規則、行動規範、社是等でハラスメントの禁止を明文化し従業員に周知している実態が見えてきました。

また、業務上の指導とパワハラの境界線であるグレーゾーンの判断等の対応に迷う場面が多々あることが分かってきました。

 

 従業員同氏の顔が見える中小企業では、大企業とは当然対応が異なると思われますが、今回の調査では不明な点が多かったようです。しかし、経営陣がハラスメント全般に関する相談を受けるとともに、職場のコミュニケーション構築に尽力している例がみられたり。人数が少なく実質的に機能が果たせない理由から相談窓口をしていないという例、また経営幹部が相談窓口になっている例もあったようです。実際にパワハラが生じた場合、大企業とは違い配置転換が難しく、少ない従業員同士が関係者に該当することが多いために、外部の専門家の判断を伝える対応が多いようです。

 

 パワーハラスメントは、「身体的な攻撃」など代表的なものとして6つに分類していますが、実際には同時複合的にまたは他のハラスメントと同意に発生していることが多いです。それらに関して日常の相談対応に迷うケースや指導の線引きで迷うケースが多く、そのようなケースに、専任に担当者が置くことができない中小企業では対応が難しいとの意見が多かったようです。顔が見える職場だけに、この問題がこじれた場合の職場内の気まずさや関係性の崩壊など経営に係ることだけに難しい対応になることは容易に理解できます。大手企業では、パワハラ該当の判断に迷うケースでは、顧問弁護士等外部の専門家または自社の法務部門に相談する例が多いようです。調査結果から、パワハラ相談等の対応に苦慮している企業に、身近な労働関連法の専門家である社会保険労務士にできることが多くあるような気がしました。