ジョブディスクリプションとは?

 5月20日、内閣府規制改革推進会議において「多様な働き方の実現、職種や労働時間等を限定した「多様な正社員」のモデル確立のための施策の具体化」という総理指示(平成25年4月)を受け、ジョブ型社員の雇用ルールについての議論を開始しました。グローバル化や働き方の多様化が進む中、希望する職務・役割と与えられる仕事とのミスマッチが、国内外の優秀な人材の獲得を阻害したり、早期離職の原因になるなど労使双方から雇用ルールの確立を求める声が出始めています。

 

 就社型(メンバーシップ型)雇用モデルが高度成長をもたらした強い成功体験から、正社員であれば企業命により職務、勤務地、労働時間の変更など無限定な働き方を許容するのが当然という意識がいまだに強いようです。今回の議論の方向性として、現状と問題点の検証から、限定正社員等を導入する企業に対して、勤務地、職務、勤務時間等について予測可能性を高められるように書面確認を義務付け、現行の労働条件明示に関する規定について必要な見直しを行うとしています。欧米では求職時の際に使われるジョブディスクリプション(職務記述書)の議論には、なかなか進まないようです。

 

 日本企業ではあまり用いられることがなかったジョブディスクリプションですが、外国人を採用する際に必要となることから、近年重視されるようになりました。日本語でいう職務記述書は、担当する職務内容や範囲、難易度、必要なスキルなどがまとめられた書類のことで、これがあれば求職者は自分の能力にあった希望の職種を選択することができます。海外ではジョブディスクリプションはなくてはならない書類ですが、日本でみかけられない理由は、メンバーシップ型とジョブ型の雇用ルールの違いからです。

 

 今後、日本でも外国人労働者、若年者人材の特定の業務領域の経験を持つ人材を採用・育成しようとする企業を中心にジョブディスクリプションが広がっていくと考えられます。反対に大手企業を中心に進めているジョブローテーションによるゼネラリスト育成には向いていません。デメリットとしては、仕事内容に柔軟性がないことが挙げられますが、日本企業の得意とする組織開発等に施策でカバーできます。働き方改革の目指す方向性からも、自分の会社の「職務の洗い出し」がいつか必要になり「ジョブディスクリプション」作成が当然となる時代が近いようです。