「同一労働同一賃金」大企業7割超が対応方針決まらず!

 総合人事・人材サービスを展開する(株)アデコは、来年4月1日に同一労働同一賃金の導入が義務付けられている従業員300人以上の企業で、人事業務に携わる500人を対象に導入準備に向けた進捗等の状況について調査を行いました。それによりますと、「すでに決まっている」と答えた企業は27.0%、「まだ決まっていない」「決まっていることもあるが、決まっていないこともある」とした企業が、73.0%という結果になりました。すでに導入まで1年を切った現在でも対応に苦慮していることがわかりました。

 

 同一労働同一賃金の導入における課題について、「基本給(68.8%)、賞与(65.0%)、就業規則(58.2%)、手当(55.6%)となりました。正社員と非正社員の基本給に関する対応方針が決まっている311人の回答を見ると、52.1%の企業で非正社員の基本給が現在に比べて「増える」見込みであることが分かりました。賞与に関しても、現在よりも「増える」見込みが39.9%、「現在支給していないが、導入により新た設ける予定」(15.2%)と既に対応方針が決定しているとする301人の半数以上が、賞与が増えるとしています。制度導入により人件費の増加が明らかになりました。

 

 大企業では、正社員の多くは職務を遂行する能力は判定してレベルに応じて職能等級を判定する職能資格制度を導入しているケースが多いようです。その能力はすべての職務に関する能力であり特定の分野に関するものではないので、決定される等級が組織上のポジションや現在の仕事の能力と一致するとは限らないことが、同一労働同一賃金の妨げとなる一因である気がします。「仕事基準」に日本の賃金制度が舵を切ったときに、過去の成功体験である「人基準」が対応の妨げになるとは皮肉なものです。

 

 中小企業では、職能資格制度を導入する企業が少ないこと、また比較的に現在の仕事と賃金との間に大きな差がみられないことから、比較的に同一労働同一賃金への導入の障壁は少ないように感じます。ただ、働き方改革は賃金制度だけはなく、日本人の労働や日常生活の考え方も変える改革ですので、賃金や労働時間の技術的対策で問題の解決を図ることだけではなく、日本の人口減少に企業がどのようの適応していくかのが問われています。これらの課題に対応できた企業が将来に向けて残れる企業になることは間違いないと思います。