夫婦で1.5人分の働き方について

  日本人の人口は、2009年より10年間減少を続けています。毎年、山梨県が1県消滅するような人口の減少といわれていますが、近年の出生率は1973年の約209万人をピークに減少を続け、100万人を割れる年が続き深刻な状況が継続しています。

 人口減少がもたらす影響として、経済的には国内市場が縮小しますので、今の日本の低い労働生産性では企業経営の大きな打撃となります。労働力の不足はすでに言われていることですが、経済の低迷や税収の不足などで、若い世代にさらなる負担が増え、年金制度・医療制度の持続が厳しい局面を迎える惧れがあります。

 

 4月から働き方関連法が施行されますが、日本のこのような事情から若い世代が安心して働き、結婚・出産・育児できる環境を整備することが、とても重要なことになります。また、自分自身または家族の病気や介護などで、いままで通りの働き方ができなくなった場合でも多様な働き方を企業が準備することなどが人口減少局面では、必要な対策になります。現役世代では、仕事と家庭生活のバランス・調和を考える傾向が強まっています。そのため労働時間の削減や年次有給休暇の付与などは必要な対策とはわかっていても、企業収益を確保しながらの働き方改革の推進は難しいものです。

 

 世界の国々の中で、多様な働き方が定着していることで知られているのがオランダです。先進国の労働者の多くは、「母として父として」「自己実現を目指す人間として」「高齢に両親のケアの責任を持つ子供として」、いくつかの人生の役割の中で、仕事と家庭のバランスを求めて苦悩しています。オランダでは、フルタイム労働とパートタイム労働で、時間当たり賃金格差が少ないため、自分の人生の生き方に沿った働き方を自由に選択しています。

 

 オランダ人の共働きは、アメリカの2人分の考え方とは違い、夫婦の一方がフルタイム、一方がパートタイムの1.5人分として家庭人の役割や自己実現・社会参画など分担する生き方が定着しています。オランダは1980年代に多額の財政赤字をわずか15年で黒字化した国です。同一労働同一賃金、パートタイム労働者の労働条件をフルタイム労働者と同様に改善することで、企業は優れた人材を確保するこができ、大幅な労働時間削減も同時に達成できました。ダブルワークや雇用の流動化により生産性も大幅に向上しました。働き方改革を機にパートタイム・フルタイムの複線型人事制度の導入など、オランダの成功モデルを参考にするのも良いかもしれません。