副業・兼業の今後について

 パーソル総合研究所は12日、勤務先規模10人以上、20歳~69才人事担当者を対象に「副業実態・意識調査結果(個人編)」を発表しました。(有効回答1641) 

 正社員で現在副業している10.9%、現在、副業を行っていないが、今後副業したい人は41.0%。副業者の割合が高い職種は、「経営・経営企画」(21.2%)、「人事・教育」(18.1%)、「法務」(15.1%)などで、間接部門が上位を占めています。政府では「働き方改革」の一環として、副業・兼業を促進していますが、今回の調査を参考に今後の課題と方向性について考えてみます。

 

 副業の目的のトップは収入補填ですが、他の属性と比べて20~30代の男性では自己実現やスキルアップの目的が高い傾向にあります。今後の副業意向を性年代別で見るとすべての年代で女性の意欲のほうが高く、若いほど副業の意向が高いようです。副業による本業の影響として、「高まった」が「低下」したを上回っています。本業のモチベーション向上につながった(23.1%)、本業のやり方について「既存のやり方にこだわらず、良いと思ったやり方で仕事をするようになった」(43.5%)とプラスの効果が多くみられるようです。

 

 

 副業のデメリットとして、過重労働となり体調を崩した(13.5%)、過重労働となり本業に支障をきたした(13.0%)などが挙げられており、企業側が危惧する長時間労働が現実のものとなっています。1週間あたりの副業にかける時間は平均10.32時間、本業と併せた週総労働時間が70時間を超える層も1割程度おり、長時間労働に注意が必要です。副業者自らの労働時間・健康の管理が必要になりますので、セルフマネジメントの可否が企業として認める要件とすべきかもしれません。

 

 労働時間以外の時間について、労務提供の支障や企業秘密の漏洩など企業の利益を害する場合には制限が許されますが、基本的には労働者の自由とする裁判例が増えています。副業・兼業には労働者にも企業それぞれにメリットがあり、また労働政策の流れとして認める方向とすることが適当です。しかし、労働者の健康管理のために必要な就業時間の把握・管理や職務専念義務、秘密保持義務の確保など労使双方が十分にコミュニケーションをとり副業・兼業のルールを作ることがトラブル回避のみちです。申請書・届出書、就業規則への記載など双方が納得のもと管理体制を構築する必要があります。