労働時間短縮は仕事の見直しから・・

 働き方改革関連法案の一連の労働法改正の施行まで2か月を割り、有給休暇取得日の指定義務や残業時間規制を強化する内容など、従業員を雇用するすべての企業が早急に対応を検討する必要があります。人手不足から一部の従業員に過大な負担がかかる事態が増えつつありますが、対応が遅れると罰則の対象になるだけではなく、従業員の不満や離職など労使トラブルが発生する危険があります。特効薬的な対策はありませんので、実態を踏まえた上で、経営者自ら社内体制の整備に取り組む必要があります。

 

 厚労省が公表した労働時間見直し等ガイドラインでは、仕事と生活の調和を実現に向けた企業が取り組むべき必要事項がまとめられています。地域の実情に応じ従業員が子供の学校行事や地域のイベントに参加することができるように有給休暇取得に配慮することなど、企業が従業員抱える多様な事情及び業務の態様に対応した労働時間等の設定・管理を求めてくることは間違いないようです。企業で働く人たちもワークライフバランスを就職活動の大きなポイントしていますし、政府は企業の努力だけでは限界があることから「下請け法・ガイドライン改定」など、長時間労働につながる取引慣行の見直しにも着手、また、しようとしています。

 

 

 長時間労働よる生産性の低下は、一般的に認められる事実になりつつありますが、仕事の見直しをせずに時間を短縮することは現場を混乱させるだけです。生産性を評価するとき、かけた時間のわりに成果があがらない仕事のありようを生産性が低いと表現されます。社員1人1時間あたりの付加価値(人時生産性)が、先進国中、最下位と日本人の働き方を見直すことが急務と考えられています。仕事の時間を管理するうえで大事なことは、仕事の意味から考えて無駄な仕事をやめること、また時間の優先順位、業務区分に指針を与えることです。

 

 長時間労働の職場風土は、トップダウンによる労使の共通認識をもった取り組み以外に変えることができません。仕事の見直しには、業務プロセスの再構築(BPR)が有効ですが、社内での事務的な仕事や前工程、後工程などに消費される時間など既存のやり方に執着せず、常に効率の良いやり方に再構築していく行動が結果として労働時間短縮につながります。AI.ICTなどの進歩により、人にしかできない価値ある仕事をする時代に向かいますが、そのためにも効率的な労働時間配分や革新が励みになる人事評価などの制度革新が大事です。何よりも現場力の向上がカギになります。何よりも変化が目に見えると、こちらの期待以上に変わるのが現場の従業員さんです。