新入社員の早期離職と対策について

 年々、新規学卒者の獲得に悩みがつきない企業の人事担当者ですが、入社後、会社と新入社員とのミスマッチも絶えず、突然退職すると言い出して周囲を驚かせる人も多いようです。厚生労働省では、このほど平成27年3月に卒業した新規学卒就職者の3年以内の離職状況について取りまとめた結果について公表しました。それによりますと、新規高卒就職者の約4割、新規卒者の約3割が、就職後3年以内に離職していることが分かりました。学歴ごとの離職率の高さは、昔に比べて特に高いわけではなく、10年以上ほぼ横ばいの状況ですので最近の若者は、打たれ弱いとの評価は適切とは言えないようです。

 

 社会状況の急激な変化や労働人口の減少局面において、一人当たりの業務量が増える昨今、やっと入社してくれた新規学卒者の早期離職は企業の成長にも悪影響を与えるためにも需要な課題といえます。新規学卒就職者の事業所規模別の離職率は、100名以下の事業所で高卒、大卒とも高い傾向にあります。産業別就職後3年以内離職率の高い上位産業は、1位は高卒、大卒とも「宿泊業・飲食サービス業」、2~5位は高卒、大卒で順位は違いますが、「教育・学習支援業」「生活関連サービス・娯楽業」「医療・福祉」「小売業」となっています。

 

 

 早期離職者は勤続年数3年以内ということもあり、次の就職が困難になる傾向になるとのJILPT

のデーターもあります。早期離職者は、男女とも次の就職先では正社員比率が低くなるというデメリットがありますが、「第二新卒」としての求職活動を行え、未経験の職種に挑戦できることや近年は一定の理解を示す企業も増えるなどより良い労働条件での再就職の可能性が広がっているようです。企業に必要なスキルを持つ人材を採用する欧米の「ジョブ型」ではなく、潜在能力を重視して入社後にスキル教育を施す「メンバーシップ型」を採用する日本ではミスマッチが当然起こります。

 

 新卒者の採用に関しては、「企業の将来を支える人材の確保」「組織の活性化」「若年労働力の確保」の理由が挙げられます。一方、初めて勤務した会社を辞めた主な理由は「労働時間・休日・休暇の条件が良くなかった」「人間関係が良くなかった」「仕事が自分に合わない」などです。

 若年正社員の定着対策を行っている企業は70%にのぼりますが、若年非正社員の定着対策を行っている事業者も54.2%になり、対策の多くは「職場での意思疎通の向上」になっています。働き方改革で示されているように、正規社員と非正規社員の待遇差をなくす努力と同時に職務の分業化や密度の高いコミュニケーションが必要です。中小企業では、非正規で働く人が多い傾向にありますが、雇用条件で業務を明確に分けずにチームでの仕事の進め方と従業員ひとり一人の意見を吸い上げる仕組みつくりも有効です。