働き方改革と組織開発について

 働き方関連法案の成立から、企業では時間外労働の削減、年次有給休暇の取得拡大と来年4月の法施行に向けて様々な施策を考え、実施していますが、人手不足など多くの要因から、なかなか残業が減らない現実ではないでしょうか。業務の見直しなど業務の効率化に向けた動きは、少子高齢、1億総活躍社会に向けて、仕事と家庭生活の調和、家庭内の役割分担からも企業として準備すべき課題になっています。個人個人の事情から様々なライフイベントで、社内の他の仲間に助けてもらう場面も増えてきます。気軽に相談できる風通しの良い職場環境をつくることも大事です。

 

 働き方改革のもう一つの側面、知識労働による生産性の向上とのバランスも考えていく必要があります。テクノロージーの進化によりAI・機械が人間の仕事を代替し、大きく産業構造が変わろうとしています。企業は人的・物的、あるいは社会的資源に対してより大きな富を生む能力、いわゆるイノベーションが求められます。日本は世界のどの国も経験したことのない高齢社会に入っていきますが、人生100年時代にむけ定年制度や既存の働き方に大きな変化が生まれます。大変革の時代に、決められた仕事を効率よくこなすだけでは企業は生き残れず、個人個人が自己研鑽をし、知的生産性向上を目指すことになるでしょう。そのためには新たな組織開発が必要です。

 

 

 組織開発とは、組織の問題を「人」や「関係性」に焦点をあてて施策を展開していくことです。従来の完璧なリーダーが指揮するチーム作りではなく、改善し続け、成果が出せるチームを目指すことになります。事業目標が先にあって、目標達成のためにはどのような人やチームが「あるべき姿」なのかを考える必要があります。何ができればOKなのか?そのためにすべき行動はとか?・・いわゆるミッション・ビジョン・バリューを統一しておく必要があります。組織はその後についてきます。

 

 これから人事制度の重要性が、ますますクローズアップされてきますが、人事が経営と現場の通訳となって企業の「あるべき姿」と言行一致となっているのかによって企業の将来が決まるといっても過言でないと思います。組織開発は、開発・発展・成長・進展というプロセスを踏みますが、その路は職場や組織の体質改善であり、外科手術より漢方薬のようにゆっくりとした自らの生活改善であり気づきだと思います。来年4月から順次施行される法律はすでに起こった課題、社会的要請に関してのものです。企業の働き方改革はこれから本格化します。