2018年度・回復基調の国内景気と懸念事項

 この度、帝国データバンクは「業界天気図」(動向調査・2018年度見通し)なる景気動向調査に基づく100業界198分野の業界動向について、業界天気を予想し展望をまとめた結を発表しました。2万社超えの企業を対象として、企業業績や各種統計データー、業界ニュースなどから、各業界・分野の展望を天気図として、最も良い「快晴」から、最も悪い「雷雨」の7段階に分類して、帝国データーバンクが総合的に判断するというユニークな企画です。

 

 それによりますと、2018年度の天気予想は、「快晴」が1分野、「晴れ」が27分野、「薄日」が最多の64分野、「曇り」が63分野、「小雨」が20分野、「雨」18分野、「雷雨」が5分野となっています。2017年度と比較して天気の「改善」を見込むのは22分野、「悪化」は10分野とTDB業況指数は53.0と改善は続くものの2017年度と比較して改善ペースは鈍化すると予想しています。業況の改善が見込まれる主な業界・分野は「ホテル・旅館」「工作機械」「繊維」となり、悪化が懸念されているのが「自動車」「石油化学」「医薬品」となっています。深刻度を増す企業の人手不足は、改善が見込まれる「ホテル・旅館」のみならず幅広い業界の影響へと広がり、流通業やサービス業などでも人件費コスト増加が業績に悪影響を及ぼすなど、人材の確保が経営の懸念材料となっています。

 

 

 調査全体として、2018年度業界天気図は「晴天」を見込む業界が増加し、当面を業況の回復が続くと見ています。企業収益の増加を背景に設備投資への動きが堅調に推移し、構造改革やコスト削減策により、売上・利益水準で過去最高を更新する業界も出ると予測しています。大手企業では働き方改革に向けた積極的な動きもあり、業務の見直しや組織開発の推進など既存の人事制度を捉えなおす傾向が強まっているようです。一方、中小企業では、深刻化する人手不足により労働時間短縮どころか労働時間上限規制の施策など働き方関連法案への対応も遅れがちになっています。

 

 当分、国内の産業は改善ペースが鈍化する傾向としても、業況の回復が続く分析のようです。しかし、少子高齢、生産年齢人口の減少は悪化する一方にあり、政府の突然の外国人労働者受け入れの緩和措置は、労働力人口の減少の国内影響がひっ迫している現実を受け入れざるを得ないようです。単純労働の外国人労働者の受け入れには、多くの国で運用の課題が露呈して停止・修正を余儀なくされてきた歴史がありますが、日本ではこんなに簡単に決まることに驚いています。働き方改革が示す施策の多くは、日本の働き手不足に応じた中小企業に向けた方法ですので、できることから準備を進め、今いる従業員が働きやすい職場、成長できる職場を目指すことからだと思います。「人手不足スパイラル」に入り込むと、あっという間に経営への影響が深刻になります。