パート採用・定着のポイント

 今や正社員、パート社員ともに多くの業種・企業で人手不足の状況です。企業にとってはこれからが正念場、本格的に始まる人手不足地獄にどのように向き合い、どうのような人材活用に仕組みを作っていくのかが企業の死活問題となってきます。パートタイマー募集に関しては、最低賃金引上げ、人手不足による募集時の時給が上がり続け、主婦・高齢者の活躍が期待されるところですが、企業としては働き方や雇用形態など工夫が必要な時代になってきます。働く側のパートを選んだ理由(複数回答)としては、「自分の都合の良い時間(日)で働きたいから(57%)」「勤務時間・日数が短いから(39.4%)」「就業調整ができるから(20.2%)」と企業都合より働く側の都合に合わせざるを得ない状況が垣間見れます。(厚労省:平成28年パートタイマー労働者実態調査より)

 

 生産年齢人口は確実に減り続けていますが、その労働力をカバーしているのが女性(主婦等)であり高齢者です。過去10年間のパート労働者は増え続けていますが、総実労働時間の平均は平成29年度1033時間、約50時間減少しています。(一般労働者2026時間)パートタイマーの働き方として、曜日や時間が短いことが採用のポイントとして定着しつつあるようです。今後も時間や曜日を指定して働く「プチ勤務」が広がりそうですが、1人より2人採用すれば長時間働かせることなく残業代の必要ないとお勧めするのですが、マネジメントが面倒と思われている経営者の方が多いようです。業務のマルチ化を進める、シフトを工夫するなど働き方の考え方を変えることが、政府の進める「働き方改革」の本質ですので、企業にあった施策が必ず見つかるはずです。

 

 当事務所では、従業員満足(ES)から、顧客満足(CS)、収益増加につながる人事・労務環境の好循環サイクルの構築を提唱しています。ESの低い社員から高品質のサービスや高い生産性が生まれるとは考えにくいからです。現在の会社や仕事のついての不満・不安の有無について「不安・不満がある(50.1%)」という結果でした。(前述、厚労省調査)内容については、「業務量が多い」「業務内容や仕事の責任は正社員と同じなのに比して賃金が安い」「通勤・退職手当がない又は正社員に比して安い」「休暇が取りにくい」などが上位にありました。

 

 別の調査ですが、勤務先に関する満足では「勤務時間や勤務日の希望を聞いてくれる「職場のコミュニケーションが良好」「ねぎらいの言葉をかけられたり頑張りを褒められる」などが上位に挙がっていました。

 それらを踏まえて、同一労働同一賃金の流れからも、賃金決定の基礎を正社員とパートも同じ「仕事基準」に変えていかないと前述に調査結果に示された「不満・不安」となり、今後、裁判でも負けます(ハマキョウレックス事件:最高裁判決)。

 またパートの不満で「教育訓練の機会」がないことも多かったようですが、入社時、入社後の教育研修やマニュアルなどによる日常のOJT機会など工夫をされれば長く働いてくれる人が増えます。来年から導入される年次有給休暇の取得義務も、社員定着の機会としてプラスに変えてはいかがでしょうか。