2018年度賃上げの動き

 6月26日、厚生労働省の中央最低賃金審査会(厚労相の諮問機関)は2018年度の最低賃金改定に向けた議論を始めました。2017年度は全国平均で前年度比25円増の時給848円となりましたが、地方と大都市の格差は拡大し、地方を中心に働き手の流出を防ぐために格差是正を必要とする声が広がっており、今年度の対応が注目されるところです。そんな折、28日に全労連や中央労連でつくる国民春闘共闘委員会は、単産・地方代表者会議を開き2018年春闘の中間総括を確認しました。

 

 5月25日時点の登録組合の賃上げ集計としながらも、前年同期で190円増の5479円(回答を引き出した467組合)、全体の賃上げ集計でも単純平均で前年386円プラスの5075円(回答額提示のあった883組合)となりました。非正規労働者の状況についても、時間額での引上げ報告があった単純平均額が22.8円となり前年より3.1円増えています。全体の4分1で定期昇給+ベアを獲得した実績を踏まえ、「賃上げの動きが産業・規模・地域を超えて広がっている」と評価しています。

 今後の最低賃金改定に向けた動きに、何らかの影響及ばすことは間違いありません。

 

 

 最低賃金の上げ幅は、2016年、2017年と過去最大になりましたが、都道府県別の見ると昨年最高が958円(東京)、最低が737円(高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)と大きな開きがでました。制度を見直し、地域格差を是正すべきなどとの意見や連合などイギリス、ドイツ、フランスなど全国一律の基準を設定している国もあり、全国一律で1000円に引き上げるべきとの要求もあります。ただ、経営者側は経営が圧迫され、雇用が悪化すると訴えており、最低賃金の引き上げには慎重な姿勢を崩していません。

 

 来年度の新卒者の就職状況についても、すでに早い時期より内定が決まる学生が多いようですので、当分求人倍率は高い状況が継続しそうです。福島県も最低賃金より高い水準での求人募集が多いので、企業の収益確保の目を向けて価格転嫁の方策をとらないと人件費の高騰に将来太刀打ちできない状況も考えられます。ただ、求職者がみな大手志向であったり高収入を望む人ばかりではありませんので、このような時代だからこそ様々な生活シーンでの仕事とのバランスがとれる制度を作るのも一案と思っています。働く人の立場にたった人事や賃金の制度、有給休暇などの労務上の制度・・中小企業ほど可能性があると思います。