地方都市の若者が働く場の問題について

 生産年齢人口の減少が大きな課題になっていますが、全国的に雇用情勢の改善傾向が続くものの、東京一極集中の傾向は継続し、地方では人口減少、過疎化は特に深刻になってきています。地方からの若年者流失、人口減少傾向は地域社会の存立危機の課題と意識せざるを得ない状況になっています。若者が地域に定着しない大きな問題の一つは地域の就業機会であり、地元に働く場のないことが一つの要因とされ、行政、企業に対して若者が地域に定着していける「仕事づくり」が求められています。

 

 地方都市における課題と取り組みについては、賃金・労働時間などの労働条件面で求人と求職者の希望が折り合わないミスマッチが顕在化しているといわれます。賃金水準が低いこともありますが、地方では事務職等のオフィス勤務の仕事が限られ、医療福祉、介護や飲食店など夕方・夜間勤務や土日勤務のともなう仕事の割合が大きくなってきます。2018年「子供・若者白書」でも報告されていますが、仕事より家庭・プライベートを優先したい若者が増える傾向にあり、働き方は暮らし方そのものと考えています。働き方改革関連法案の審議を待つまでもなく、AI活用、時短など若者定着に向けた企業の取り組みは直ぐにでも必要なようです。

 

 

 今後、地域包括ケアなどの取り組みで自宅医療・介護のケースが増えてくると思われます。親の心配があっても、大学進学等で県外に流失した若者のUターンが進まないのは雇用機会の量が不足しているだけではなく、地元企業の情報が不足していることも要因のひとつだと思われます。大都市の企業との賃金格差をなくすことは困難としても、正社員の受け皿を増やすこと、求職者の希望する就業時間に配慮した求人をだすなど細やかな調整は必要です。何よりも企業の魅力を伝える地道な活動が若者の安心・信頼を生むのではないかと思います。

 

 「子供・若者白書」では、家庭・プライベートを優先させたい希望に関連して、仕事選択の重視する観点として「子育て・介護等の両立がしやすいこと」「福利厚生が充実していること」が挙げられています。就職氷河期と言われる時代を超え、若者の働く意識は大きく変化し「転職」を否定的に捉える傾向は少なく、子育て、介護などの時期に多様な雇用形態の受け入れも柔軟に考えられるようです。一定の雇用の質が確保されるのであれば、地方ならではの住環境などの生活面の優位性や通勤の負担がかるいなど地方企業だから実現できる「働きやすさ」「仕事のやりがい」をアピールできると考えられます。大都市、大企業の働き方に疑問を持つ若者へのオルタナティブとして提案ができます。