ヤマ場を迎える「働き方改革」関連法案

画像;工場で働く人

 国会は今日23日、安倍晋三首相が今国会の最重要法案と位置付ける「働き方改革」関連法案の衆院厚生労働委員会での採決をめぐり、与野党の攻防が終盤国会最初のヤマ場を迎えます。野党の立憲民主党と国民民主党は8日、政府の「働き方改革」関連法案の対案を国会にそれぞれ提出しました。高収入の専門職を残業時間規制から外す高度プロフェッショナル制度(高プロ)を導入せず、終業から始業まで一定の休息時間を空ける勤務間インターバル制度の導入を企業に義務付ける。いずれも労働者保護を前面に打ち出した内容となっています。

 

 政府は「働き方改革」を経済再生に向けたチャレンジと位置づけ、働く人の視野の立って、労働制度の抜本的改革を行うことで、働く人一人ひとりが将来の展望を持ち得る企業文化や風土の変革を目指すことを、基本的な考え方に置いています。政府の諮問機関である「働き方改革実現会議」では、働く人の賃金などの処遇改善や時間・場所などの制約の克服、キャリアの構築を進めるうえで働く人の視点に立った5つの課題を洗い出しています。それを踏まえて9つの検討テーマと現状の分析を行い、19の対応策を提示、2,017年から10年間のガイドライン、ロードマップを提示しています。今回の働き方改革では、ガイドラインが先行して後追いで法改正の準備を進めるという異例の対応を行っています。

 

 労働者の命と健康を守る長時間労働の規制などが柱としていますが、野党は法案が残業上限と規定した月100時間は「既に過労死ライン」と批判しています。 残業時間の上限は年720時間、2~6カ月の平均では休日出勤を含めて80時間としています。過労死や過労による自殺が後を絶たないため、上限を労働基準法に明記し、違反した場合は罰則を適用することにしましたが、高プロの対象となる「営業職」などの職務拡大の懸念が野党が反対する理由になっています。

 

 働き方改革の大きな柱は、「同一労働同一賃金」です。日本の経済社会最大の問題は、生産年齢人口の減少とOECD加盟35国中、21位、先進国では最下位の労働者一人当たりの労働生産性の低さです。導き出される日本の将来の課題は、「労働者の確保」と「生産性向上」です。働き方改革に取り上げられている対応策あるいはその他の策を、一つひとつ検証しながら対策をしていく以外に策はないと思いますが、政府のやり方は乱暴ですね。今年4月からの「無期転換ルール」など働き方改革は既に動き出しています。小職、来月初旬にある団体の研修で「働き方改革の概要」30分ほどのセミナーを担当することになっています。向こう10年の施策になりますので概要と実例など話したいと思っています。