企業の成長はシニアに活躍なしに考えられない?

画像:スーパーで働くシニア世代

 急速に進む少子高齢化ですが、福島県では既に65歳以上の高齢化比率が30%を超え、労働力人口の減少が明らかになってきました。全国的にも現在の傾向が進むのであれば、今から42年後の2060年の総労働人口は現在の4割も減る予測がされています。そんな状況下で、近年注目されているのが「シニアの労働力」です。平成25年4月施行されています「高年齢者雇用安定法」により、企業に課せられた65歳までの雇用に関する努力義務によって60歳~64歳の男性72.8%が就業しています。今後は65歳以上の高齢者雇用も増え、またシニア労働者の積極的に活用することが企業の成長に結びつくものと思います。

 

 労働力不足がさらに深刻化する中、ミドル・シニア層(40~54歳、55~69歳)には企業組織を支える中核的な役割を期待する傾向が強まっています。石山恒貴・パーソナル総合研究所(2017)「ミドル・シニアの躍進実態調査」によれば、仕事上の役割・責任の達成度、成果やパフォーマーとしての役割に関する5設問について、すべてイエスと答えた「躍進層」が21.2%(回答2300)の回答を得たそうです。年齢層では、55歳後半以上60歳代では、躍進層が全体平均を超える結果となり、部長など上位役職者にその傾向が強いようです。シニアには「過去の経験を通じて得た教訓により、自己のノウハウとして築き、違った局面でも適応できる行動特性」をもっています。

 

 

画像;ガスのメーター検針をするシニア世代

 今後、企業の社員5人に一人が61歳以上となると予測されていますが、いまでも古参社員やシニア社員を雇用して年上部下の扱いに困っている経営者がいます。中小零細企業の二代目社長にその傾向が強く、指示や命令の場面で目上に対してこんなことを言っていいのかと躊躇するようです。当のシニアは意外と気にしておらず適切であれば叱咤も抵抗ないと考えています。年齢も政府が取り組む「働き方改革」ダイバシティー(多様性)ととらえれば、シニアの特性を生かして企業の成長に結びつけることを考えればよいと思います。

 

 シニアは過去の知識を生かして「工夫」する能力がありますので、まったく経験のない仕事でも過去の体験を疑似化して、適応することができます。しかし、いわゆる「創意」である未知の環境適応を必要とする「流動性知能」は加齢と共に衰え苦手とします。「創意工夫」でビジネスを発展するきっかけを若者・シニアでコラボするには良いことではないでしょうか。シニアの活用には適材適所の職場とそれにあった就業規則を新たに作る必要があります。シニアに特性を生かせる短時間でも高いパフォーマンスが期待できるのであればそのようなルールに変更する必要があります。行政の対応に合わせることなく、企業の成長に向けたシニア活用の働き方改革を自ら進めていくのはどうでしょうか。