働き方改革は仕事時間の使い方から

画像;パソコンに向かうメタボタイプの男性会社員

 働き方改革には、主婦や高齢者、短時間労働者など根本的な働き方の多様性が必要だといわれます。中小零細の企業では、人材の不足や中途採用の困難さから正社員の長時間労働の問題が浮き彫りになってきています。働き方改革の目指す方向は、労働の時間から「ジョブ型(職務)」への雇用転換を図り、あなたはこれとこれをやってくださいという仕事の単位「タスク(課業)」を分担管理することです。

 

 工場などでは「職務記述」による課業管理は比較的取り入れやすいですが、例えばホワイトカラーである営業職で詳細な職務記述で管理しようとすれば「それ以外はやらない」仕事の進め方になりかねません。役割による「権限と責任」からも包括的、抽象的な概念としての職務の記述は必要になりますが、その職務範囲は厳格に特定せずに、バランスに気をつけながら弾力的に自己決定ができる制度にする必要があると思います。欧米のように「ジョブ型」の雇用管理になれていない日本人にはわかりにくい働き方ですが、仕事時間の使い方の意識改革から始めるのが良いかもしれません。

 

 

 「汝の時間を知れ」は、マネジメントの父と呼ばれるドラッカーの名言です。成果を上げるためには自分の時間の使い方を知る必要があるといっています。事業活動では、今の収益(成果)を生み出す時間は、最も重要な時間です。2つ目は将来の収益(成果)につなげる営業における顧客案件の発掘などの種まき時間です。就業時間に許される自己啓発(投資)の時間が3つ目です。営業契約後の事務的時間、中核業務の前後の段取り、後処理等の時間などの成果に付随する処理の時間があります。これら4つの時間の使い方も目的を明確にしないと無駄な時間になってしまいます。

 

 比較的、多くに時間を費やしているのが「処理の時間」です。見積書や請求書の作成やファイルなど一連のプロセスでやらなければならない仕事、時間は多いものです。効率的にこれらの処理できず時間をかけてしまうと「今の収益を生み出す時間」「将来の収益につなげる時間」が確保できなくなります。そこで、組織全体で効率化を図る工夫として業務革新や処理時間のタスクを分担管理するためのパートタイマーの採用などの工夫が必要になります。日常の仕事を「時間の使い方」で区分することで、「ジョブ型」の仕事の進め方に意識変革ができます。人手不足で悩まれている企業ほど「タスク」による業務革新が必要です。