
平昌オリンピックの日本選手の活躍は素晴らしく、私もそうですが、多くの日本人が感動したことと思います。今の若者の新しい時代を見据えた価値観は、私たち大人といわれる世代にも学ぶべきことが、多くあると思っています。様々な情報があふれる時代ですが、彼らの考え方はどんどん本質的になっている印象があります。「この仕事は何のために?」にという問いに適切に応えられないと動けないことも・・理解すれば、良い動きをしますし、学びを重ねていきます。過去4年間、社会福祉法人での研修講師を務めた経験を書きたいと思います。
当然ですが、社会における経験が不足している若手社員は仕事に対する自信はありませんが、「社会のために役立ちたい」「自分の能力・個性を生かしたい」「技術を覚えたい」という意識は年々高まっています。(日本生産性本部調査)私の研修は、現状課題の要因の分析から解決まで対策をグループで協力しあって作り、発表します。ファシリテーターによる全員合意によるブレストルールによる会議です。経験がないとできない会議の進め方ですので、事前の導入研修で、ドラッカーのマネジメント思考と演習、職務行動評価のビデオ演習を行います。この事前研修で、企業のミッション、ビジョンと自分たちの役割行動の方向性が腑に落ちるようです。

社員一人ひとりが持っている脳力を、企業のために生かす組織開発が研修の目的ですが、これが若手社員のニーズに合致します。突飛な意見でもも何でも「あらゆる意見を否定しない」会議の進め方が話し合いを活発化させ、若手社員から楽しそうな・・なるほどという意見が続出します。研修講師は、議論が脱線したり本質から離れて会社の愚痴などになった時だけ、会議に入りますがほとんどそのようなこともなく進んでいきます。年長の参加者から違った意見がでますが、世代間傾向として年長者は実現可能な施策の意見、若手は仕事の本質、あるべき姿から時間内で施策にいきつかないことが多いようです。この違いの相互の気づきがイノベーションの種子になります。
仕事において意見の不一致は重要ですし、この創造的摩擦が企業での新たな価値を生み出す可能性が高めます。他人の意見を聞き、それを取りれることで経験を積み、新しいことを試し企業人としての進化ができます。意見の不一致、摩擦の次のプロセスは、摩擦を乗り切る手段として相手の考え方を理解し、話し合い、解決の着地点を探します。結果重視する傾向の年長者の経験、本質的な目標設定、プロセスを重視する若手社員のコラボレーションは多くの可能性があります。副作用として、創造的コミュニケーションが企業内の人間関係を良くして、若手社員の仕事満足度を高めます。若手社員は、可能なかぎり企業内で意見の衝突を避けたい傾向が強いですが、自由に意見を発表できる場を作ることで、新たな企業価値(イノベーション)が生まれるかもしれません。