今年の中途採用は・・より困難に!?

 このほど、リクルートワークス研究所では、正規社員の2017年度上半期の中途採用実績、2018年度の中途採用の見通しに関する調査結果を公開しました。2018年度の中途採用は大企業を中心に増加の見通しで、2017年度上半期は、人員を「確保できなかった」企業が「確保できた」企業を上回り、業種により人員の確保が難しい企業の割合が高くなっている現実が明らかになりました。「確保できた」から「確保できなかった」を引いた「中途採用確保D.I.」は、建設業(-31,6%)、飲食サービス業(ー29,2%)、運輸業(-27,7%)などが低い水準にあります。

 

 中途採用における人員確保の経年比較を見てみますと、2013年上半期調査開始から、2017年上半期の「中途採用確保D.I.」では、調査開始以来、初めてマイナスポイントとなり、あらゆる業種で正規社員の中途採用が困難な状況が明らかになりました。中途採用において、人材が確保できなかった企業に対して、影響を調査した結果、全体として「事業に深刻な影響がでている」(5,9%)、「事業に影響が出ているが対処できている」(32,9%)、「現在影響がないが、継続すれば影響がでてくる」(50,6%)と、人材不足に関する企業の影響は避けられない現実で、AIなどの代替が難しい労働集約型の業種では深刻なようです。

 

 

 2018年度の正規社員の中途採用の見通しについては、全体として「増えるー減る」のポイントで+14,6%と2017年の+10,4%から上昇しています。従業員規模では、1000人以上企業では、16,7%と積極的な採用計画を立てているようです。業種別では、金融業(+4,2%)では低い傾向があるものの、飲食サービス業(+36,4%)、不動産業(+21,9%)、情報通信(+19,9%)と人手不足の業種を中心に採用見通しが高いようです。

 

 2017年度上半期、正規社員の中途採用未充足であった企業に対して、それぞれの対応を調査したところ、「派遣や業務委託など外部人材の活用」、「60歳以上の自社社員の積極適活用」には、大手、中小企業とも半数以上の企業が取り組んでいます。「非正規社員の無期化や正社員転換」にあっては、1000人以上規模では53,2%でしたが、1000人未満企業では37,9%と明らかに取り組みに差があるようです。少子高齢の伴う労働力人口の減少は、年々、新規・中途採用ともに全体として困難になることが予測されます。今後、業種、事業規模問わずに会社の中核となる人材と業務委託などの外部人材の活用など自社に合った人材計画、施策が求められるのではないでしょうか。