福沢諭吉の考えるビジネスとは・・

 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」のフレーズで始まる「学問のすすめ」は、あまりにも有名で多くの人が知っていると思います。天が人を生み出すにあたって、人は同じ権利を持ち、生まれによる身分の上下はない・・・と言われていますが、現実は貧しい者も富める者もいて、雲泥の差ほどの違いがあるのは「学ぶものと学ばぬものの差」であるというのが、福沢のいう「学問のすすめ」です。始まりのフレーズの印象から、政治や哲学の本かと思いきや内容は日々の仕事に使えるビジネス書といっても過言でないかと思います。具体的に学ぶ学問は「実際に生かせる学問」つまり実学を奨めています。

 

 「読書で学んだことは実際に行動に移してこそ価値がある」課題を解決するために学び、行動することの大事さを訴えています。また現場での問題の観察や当事者へのインタビューなどの「観察をすること」や、物事の道理を推し量って「推理すること」、人に自分の考えを伝え知見を交換する「他人との議論」の重要性も唱えています。幕末から明治へと欧米列強と対峙しながらも、様式建築や鉄道、産業の振興など多くの文明を開花させた当時の政府に敬意を払いながらも、学問をやるものの使命を実際の事業として実行することを勧めています。

 

 

 また、有名なフレーズとして「信ずることに偽りが多く、疑うことに真理が多い」・・イノベーションは現状に疑問を持つことから始まる。「いいから黙って言うことを聞け」は社会では成立しない。・・こんな経営者では通用しませんよね。「計画は甘くなりがち。定期的に進捗管理をすること」。・・耳が痛い!。

「信用こそ財産」・・など140年前に書かれたものとは思えない本です。

 

 情報の洪水に溺れ、具体的に何をどうすればわからなくなっている現代のビジネスパーソンこそ読むべき本ではないかと、現代語訳も数多く出ています。昔から岩波文庫のものが有名で私も持っていましたが、最近、斎藤孝氏訳の本(ちくま新書)を見つけ購入しました。訳者によって個性があり興味深いところですが、斎藤氏の訳本は各編は独立した文章となっていますので、興味のあるところを気軽の読める構成になっていました。おすすめです。