職場ストレスと健康経営について

  連合総研は10月31日、第34回「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート(勤労者短観)」調査結果を発表しました。それによると1年前と比べて賃金に改善の動きが見られるほか、業務の繁忙によるストレスが増えた人は3割超(33.0%)と回答しています。9 月に所定外労働(残業および休日 出勤)を行ったとする割合は 33.8% であり、その平均所定外労働時間は 36.1 時間でした。特に男性正社員は、45.0%が所定外労働を行い、所定外労働時間の平均は42.3時間におよび約1年前(前回)調査よりやや減少したものの依然長時間労働が多くみられます。

 

 1年前と比べて職場での人間関係を原因とするストレスが増えたと回答した割合も3割を超え、業務多忙からくるストレスと比べてて、年齢による大きな違いが見えないとも特徴のようです。5割超の人がストレスによる心身の不調を感じたことがあると回答し、男性では40歳代、女性では20歳代での割合が高かったようです。政府の第12次労働災害防止計画ではメンタルヘルス対策が重点課題として推進していますが、今回の調査では「メンタルヘルスケアが十分行われている」との回答は5.2%にとどまり、「まったく行われていない」との回答が24.9%と残念な結果になっています。

 

 「健康経営」とは、企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる、との基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することを意味します。業務に起因する健康障害の原因の多くは、労働の量(長時間労働の慢性化)と労働の質(劣悪な職場環境)とされています。快適な職場環境を目指す人事労務管理が、ストレスのよる脳・心疾患・精神障害の予防となり、如いては生産性の向上にも良い結果を与えます。

 

 職場のメンタルヘルス対策として、長時間労働防止のための業務の見直しや3S活動による作業環境の見直しなど人事労務管理上の施策が必要です。一人でも傷病で休まれると困る職場では、常に高いレベルの心身の健康を職員に維持してもらうことが、法人の生産性を確保するための前提条件となります。今回の調査でも、AI等の導入・活用に伴い雇用が失われるのではないかとの不安を訴える人が3割に及ぶなど、将来の企業活動の変化に不安を訴えるケースも少なくなく、「健康経営」の視座の重要性が高まってくるものと思われます。