勤務間インターバル制度と就業規則

画像;夜の駅

 尊い命を犠牲に、日本の働き方に大きな一石を投じることとなった電通の違法残業事件で東京簡易裁判所において、先週、労基法違反の判決がでました。この事件から、労働者の長時間労働の是正に向けて大きな流れがあります。長時間労働の弊害として脳・心疾患・精神疾患など労働者の健康への影響や仕事と家庭生活の調和の欠如は良く知られるところですが、人手不足の影響もあって長時間労働の軽減、労働条件改善に苦慮する企業も多くあるようです。

 

 政府では今年3月、働き方実行計画案を発表し、自動車運転、建設事業等の現行制度下において労働時間基準の適用除外とされている業種については、長時間労働を是正するための環境整備を強力に推進するとしています。また、発注企業からの短納期要請、顧客からに取引の際の要求などの商慣習の見直し、適正化に向けた取り組むの推進を掲げていますが、勤務間インターバル制度の法制化というよりも、各企業の任意の取組みを促す方向性にあるようです。

 

 勤務間インターバル制度とは、勤務終了時刻から翌日の勤務開始時刻までの時間を8時間、11時間と一定以上の時間を確保する制度を言います、労働者の生活時間を確保する目的では有効な制度となりますが、この制度に関する現行法令上の規制が存在しませんので、制度設計は各企業で自由に決めることになります。インターバル自体を強制的な就業制限とし、始業時刻のみを繰り下げとするのか、制度を単に努力目標とし、始業時間と終業時間の双方を遅らせ、所定の労働時間をスライドさせる方法が考えらます。

 

 前例における後者は、就業規則上、所定労働時間を超えない範囲での始業終業時刻の変更に関する規定を追加する必要があります。前者の場合は、始業のみを繰り下げ終業時刻の変更がされない方法ですが、就労義務の一部を免除され、会社が一方的に賃金の控除をしなければその旨を規定すれば良いし、始業時刻までの労働の免除、不就労時の賃金減額の際は、労働かつ賃金に関する条文は必要になります。労働時間の裁量に関しては「フレックスタイム制」「裁量労働制」など制度がありますが、この制度下においても企業は、労働者の労働時間の適正な管理の義務が免れるわけではありませんので、就業規則上定める必要があると考えます。