パワハラ対策と退職者の防止について

画像;悩む会社員

 厚生労働省は7月、職場のパワーハラスメント(以下、パワハラと言います)の予防・解決に向けた取組を推進するため、「パワーハラスメント対策導入マニュアル」(第2版)を作成、公表しました。 都道府県労働局に寄せられた企業と労働者の紛争に関する相談で、平成14年度のが約6,600件(全体の5.8%)であった「いじめ・嫌がらせ」の相談が10年後の平成24年度には、51,670件(全体の17%)となりました。「解雇」「労働条件の引き下げ」「退職勧奨」など、従来から多い相談内容を抜いて相談件数のトップとなりました。現在も増加傾向にあり職場環境の悪化、メンタル不全等、労働安全衛生上、放置できない状況にあります。

 

 パワハラが企業にもたらす影響は創造以上に大きく、パワハラを受けた人にとっては、人格を傷つけられ仕事をへの自信、意欲を失い、健康不良、休職退職につながります。同じ職場の人にとっても、パワハラを見聞きすることで、仕事の意欲を失い、職場全体の生産性にも悪影響を及ぼしかねません。ガイドラインでは24年度の従業員実態調査の結果の報告がされていますが、パワハラを受けた従業員の13.5%が会社を退職し、5.4%が会社を休み、パワハラを受けても、46.7%が誰かに相談することもなく「何もしなかった」と回答しています。

 

 

画像;ノートとペン。何か言えれば・・

 パワハラが発生しやすし職場環境については、会社、従業員が同じ認識を持っている項目があります。「失敗が許されない、失敗の許容度が低い」「上司と部下のコミュニケーションが少ない」「残業が多い、休みがとりにくい」の3項目についてパワハラを生みやすい特徴としています。労務管理対策としての一般論としては、「パワハラ研修会の実施など管理職、従業員の認識を深めてもらう」「相談窓口、対策員会の設置など職場の安全衛生対策としての取り組み」「懲戒処分の判定と就業規則の記載」などパワハラ防止に向けた組織体制の創設などがあります。

 

 ハンドブックには企業のその他取り組みの成功事例集が載っています。青森県のスパーマーケットでは、朝礼で従業員同士が向き合って握手するなどの身近なコミュニケーションの実践やエコグラム(心理検査)によるコミュニケーションの自己特性を知るなど様々な施策を行っているようです。また、兵庫県の社会福祉施設では。ISO9001(品質マネジメントシステム)の取り組みの中で、毎年、職員が目標設定を行い連携・連帯のコミュニケーション確認の機会を設けているようです。もちろんパワハラの関する教育、相談窓口の設置も重要ですが、加えて従業員間での共有・協働が体験できる施策の実施などによる職場環境の向上に向けた施策などが退職者防止につながるのではないでしょうか。