中小企業、OJT経験がない従業員が3割超え

画像:料理を作るコックさん

 「日本再興戦略」2015において、人材等への投資により生産性を高める重要性が指摘されるなど、中小企業への人材育成や能力開発の必要性が高まっています。この度、労働政策研究・研修機構では、既存の統計調査(能力開発基本調査等)では調査していない小規模な企業(30人未満)も対象として、人材育成・能力開発の実態を把握する調査(企業・労働者)を実施、結果を発表しました。

 

 企業調査において、10人未満の企業では約25%が人材育成・能力開発の方針を定めていませんでした。業種別では「不動産・物品賃貸業」が最も高く「運輸・郵便行」「宿泊・サービス業」が23%以上で続きます。企業が取り組んでいるOJTとして「とにかく実践させ、経験させる」(59.5%複数回答)、「仕事について相談にのったり、助言している」(50.8%)となりました。OJTがあまりうまくいっていない企業の割合の多い業種は「宿泊、飲食サービス業」(29.8%)でした。

 

 

画像;朝食バイキングのテーブルセット

 労働者調査において、10人未満の会社に勤務する従業員の3割以上が、OJTの経験がないと答えています。現場の仕事を直接上司から指導を受けるのがOJTですが、業務のマニュアル配布のない企業は30人未満では、10%以下でした。(300人以上28.2%) また、会社外で仕事につながる専門知識等を受講するOffーJTでは、平成27年度、30人未満の会社に勤務する従業員では1割台、9割の人が受講していない結果でした。

 

 仕事のやり方の指導を受けて、実践を重ね業務マニュアルや教育訓練計画がない場合、一般的には「業務の引継ぎ」と言います。何を教え、一人前の職業人として部下を育てる意識があればOJTです。OffーJTを受け得られた知識、技能が仕事に役立ったとする従業員は約9割います。職業人として育てるためには、「心構え」や「会社の理念」など教えることも、その後の彼らの職業人生では重要なことだと思います。